【コラム】「たかが飲酒運転くらいで何をそこまで」

 韓国プロ野球のキウム・ヒーローズは今年3月、韓国野球委員会(KBO)に、姜正浩(カン・ジョンホ)内野手(34、ポジション:三塁手、遊撃手)に対する任意契約解除(任意脱退)復帰承認を要請した。姜正浩選手は「飲酒運転三振アウト」の前歴があり、懲役の刑事処罰(懲役8カ月、執行猶予2年)を受け、2年前に韓国野球界への復帰を試みたが失敗した。キウムのゼネラルマネージャーは「野球界の先輩として姜正浩に野球人生を終える最後のチャンスを与えたかった」と語った。こうしたキウムの動きを批判する記事を書いたところ、ある読者がメールを送ってきた。内容をそのまま転載する。

 「前科4犯の李在明(イ・ジェミョン)氏も大統領選挙に出たのに、何年か前の飲酒の前科ありの姜正浩選手が人々に受け入れられないのはなぜなのだろうか。ひどい破廉恥犯でもないのに…石を投げるのはもうこれくらいにすべきではないだろうか?」

 第20代韓国大統領選挙は、新種のチョウを誕生させた。「前科4犯」候補が1600万票(得票率47.8%)を越える票を集め、わずか0.73%差で惜敗する嘆息の中でふ化したこのチョウは「能力があればいいのであって、何が問題なのか」と羽ばたく。「有能な経済大統領」というスローガンが、飲酒運転をはじめ大庄洞開発を巡るスキャンダルや法人カードの私的流用、違法儀典など各種の問題を突き破ってしまうのを韓国国民は体験した。原則・常識などがばかばかしくなってしまうバタフライエフェクトが、大統領選後に多方面で出現する兆しが見られる。韓国野球界にもその余波が及んだのか、上に挙げた読者のように姜正浩選手の肩を持ったり、かと思えば「射角47.8度の大庄洞砲を装てんした火天大遊撃手3犯打者の復帰を熱烈に歓迎しよう」と、大庄洞開発疑惑の中心となっている火天大有(易で、多くの物を手に入れるという卦〈け〉)に引っ掛けて笑いものにするファンもいる。

 新任の許亀淵(ホ・グヨン)KBO総裁(71)が最近、就任記者会見を開いた。最初の質問から「姜正浩問題をどう処理するのか」が出た。許総裁は「この問題を巡って考慮すべき事項が多く、深考熟考しているところ」と即答を避けた。KBO規約によれば、リーグの発展および権益の保護のため、総裁は選手の契約を承認しない権利がある。許総裁が職権で姜正浩選手の復帰を拒否したら、キウム側は訴訟戦に向かうだろうとの見方があるが、それは後々の問題であって、いま許総裁は韓国野球界にどのようなメッセージを伝えるのか考えるべき時期だ。

 姜正浩選手は、KBO復帰が承認されても、有期失格1年の懲戒を受けたせいで、早くても来年にならないと韓国国内の舞台には立てない。実戦の空白期間が3年を超えた数え年36歳の選手が、うまくいけば韓国野球の底が割れ、うまくいかなければ本人にとって恥となる。結局のところ、残るのは「やはり韓国では何をやろうと粘れば最後には大目に見てもらえる」という、崩壊した原則だけだ。

 韓国野球は新型コロナ問題に加えて国際大会での成績不振、選手の私生活を巡る批判などが重なり、ファン層が急減している。30年以上も解説委員として活動し、韓国野球の状況を誰よりもよく知っている許総裁は「9回裏1死満塁のピンチに登板した投手の気持ちで総裁職を引き受けた」とし「飲酒運転と八百長、性犯罪、薬物乱用を『野球界4不』にしたい」と語った。姜正浩問題の解決は4不確立のための第一歩だ。野球人である許総裁の決断を求める。

ヤン・ジヘ記者

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