【4月8日付社説】政権の手下・韓国選管が「独立性」を掲げて監査を拒否するなんて

 韓国の中央選挙管理委員会が、大統領選挙事前投票の混乱を巡る監査院の監査計画に対し「選管は憲法上の独立機関で、監査院の職務監察の対象とは見なし難い」として拒否する立場を表明した。韓国憲法上、監査院の監査範囲は「行政機関および公務員の職務」となっているだけに、選管はその対象ではない-という主張だ。選管が監査院の監察対象がどうかに関しては論争の余地があるのは事実だ。しかし、今の選管が憲法機関の独立性と中立性を掲げ、監査を拒否すると粘るのは、本当に恥知らずな行いだと言うほかない。

 まず選管の委員長自身が政権側の法曹サークル出身で、事実上、政権側の人間だというその理由一つで5部要員(国会議長、最高裁判所長官、国務総理、憲法裁判所長、中央選挙管理委員会委員長)のポストに就いた-と言っても過言ではない。また、選挙管理委員7人のうち6人は与党寄りだ。このように出身成分から偏った選管は、選挙のたびに徹底して与党側に立った。2020年総選挙の際、与党の「100年親日清算」「積弊清算」という表現は認めておいて、野党の「民生破綻 投票で防いでください」「うそOUT投票」などは禁止した。今回の大統領選挙でも、与党「共に民主党」が保守系最大野党「国民の力」の候補者を狙って行った「新天地庇護勢力」「酒と呪術に溺れた」などの表現は認めた。選挙の審判ではなく、政権の手下の役割を務めてきた。

 今回の大統領選挙におけるコロナ確定患者・隔離者の事前投票で選管は、有権者が記入した投票用紙を「かご」や「ラーメンの箱」「ビニール袋」などに入れて運ぶというとんでもないことを行った。既に特定の候補へ投票するため記入がなされた投票用紙を有権者に配るという事件まであった。選挙に責任を持つ憲法機関が、選挙の基本である直接・秘密投票の原則を破ったのだ。1日20万人のペースで押し寄せる新型コロナ感染者が投票しなければならない、超非常事態にもかかわらず、選管委員長は「土曜日」だからと出勤しなかった。それでいて、選挙管理失敗の責任を選挙局長など下の人間にかぶせ、保身に乗り出した。

 こうした有様があまりにひどいので、政権与党からも「本当に21世紀の韓国の選管なのか」という嘆息が出た。捜査を受けてもまだ足りぬというところなのに、監査院の監査も受けたくないという。本当に面の皮の厚い人々だ。

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  • ▲韓国大統領選挙の事前投票が行われた当時、選管の準備不足などにより投票用紙がかごなどで運ばれるほか、韓国各地で大きな混乱が起きた。既に記載済みの投票用紙が有権者に配られたこともあった。/写真=朝鮮日報DB

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