サムスン社員もうらやむ韓国IT業界、福利厚生に200万ウォン高級チェア

「配達の民族」、在宅社員にプレゼント…SKハイニックスも3万脚交換予定
IT業界、開発者求人難で高級チェア提供し人材獲得合戦

 昨年12月、中古取引アプリに、段ボールも開けていない「未開封ハーマンミラーチェア」が多数売りに出されるという出来事があった。米オフィス家具ブランド「ハーマンミラー」の製品で、グーグルやアップルのような米シリコンバレー企業が使って有名になったいすだ。価格が1脚200万ウォン(約20万円)前後と高価な上、情報技術(IT)業界で「長時間座っていても楽だ」という口コミが広がり、「いす界のシャネル」と呼ばれている。

 このように高価ないすを一度に売りに出したのは、デリバリー・アプリ「配達の民族」運営会社「優雅な兄弟たち」の社員たちだ。会社側が在宅勤務中の社員・従業員1700人以上に、このいす、電動式デスク、超高解像度モニターのいずれかをプレゼントすると言ったところ、いすを選んだ一部の社員が受け取るやいなや現金化に乗り出したのだ。デスクとモニターも売りに出されていたが、特にいすが話題になった。突然の「中古ハーマンミラー騒動」にIT業界では「『配達の民族』の福利厚生がうらやましい」という声が多く上がった。

 IT業界に時ならぬ「いす福利厚生戦争」が発生した。先月、創立10周年を迎えた半導体メーカー「SKハイニックス」もこのほど、全役職員に「ハーマンミラーチェアへの交換」を約束した。社員・従業員3万人のいすを変える費用だけで600億ウォン(約61億円)。別の福利厚生特典も同時に発表したが、社員たちの間では「24時間のうち少なくとも3分の1を会社で過ごすのだから、こうした部分まで気を使ってくれてうれしい」と、いすの交換を歓迎する声が特に多いという。こうした話が伝えられると、ライバル企業・サムスン電子の社員たちまでざわついている。シリコンバレーを席巻した、あまりよく知られていない名前の高価ないすが韓国IT業界で「福利厚生の尺度」の一つになったのだ。

 IT業界における「いす福利厚生」第1号はインターネット関連企業「ネイバー」だ。本社をソウル市江南区駅三洞から京畿道城南市盆唐区に移した2005年、社員のいすをハーマンミラーチェアに全面交換した。グーグルやマイクロソフト(MS)といったIT大手企業「ビッグ・テック」の勤務環境が会社員たちの天国のように言われた反面、盆唐に移転したネイバーの勤務環境はそれに比べて劣悪なように見えるのではと懸念される、という経営陣の判断によるものだ。ネイバーは現在も社員・従業員約4600人がこのいすを使っている。IT業界では「ネイバーチェア」という別名でも呼ばれている。別のネット関連企業「カカオ」も2018年に同じいすを全社員に1脚ずつ支給した。

 それ以降、旅行予約サイト運営会社「ヤノルジャ」や「配達の民族」などのスタートアップもこの流れに加わり、「ハーマンミラー」のいすが今、会社の福利厚生を評価する尺度となった。最近のスタートアップの中には人材採用公告を出す際、主要福利厚生の一つとして、「全社員・従業員ハーマンミラーチェア支給」を明記するケースまで登場している。IT業界関係者は「200万ウォンのいす戦争は最近の開発者求人難と相まって、人材獲得合戦がどれほど激しいかを示している」と語った。

朴淳燦(パク・スンチャン)記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲ハーマンミラー アーロンチェア

right

あわせて読みたい