「3高」に直面した韓国経済…米に歩調合わせるには年内に4回は利上げ必要(下)

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■米FRB「ビッグステップ」の衝撃に懸念

 米利上げに伴う衝撃波の懸念はますます高まっている。41年ぶりに8%台のインフレに襲われている米国が利上げペースの加速を予告しているからだ。米国の利上げは世界的に金融市場の縮小につながる。FRBのパウエル議長は1980年代初めに政策金利を19%まで引き上げ、オイルショックによる物価高を沈静化させたボルカー元議長のように「インフレファイター」になろうとしている。

 FRBは5月、連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の利上げ幅の2倍となる0.5%の利上げを行ういわゆる「ビッグステップ」を選ぶ可能性が高い。FRB内部ではハト派ですら、年内に政策金利を年2.25-2.5%まで引き上げるべきだと主張しているが、そのためには残された6回のFOMCでは毎回利上げを行い、2回はビッグステップを踏む必要がある。ビッグステップは2000年5月以降に一度もなく、年2回以上のビッグステップとなると、1994年が最後だった。それほどまれな措置と言え、今年のFRB発の嵐は世界経済に巨大な影響を与える見通しだ。

 FRBの動きに対応するため、世界各国は利上げを急いでいる。13日にカナダ、ニュージーランドが同時に政策金利を0.5%引き上げた。両国ともビッグステップは22年ぶりだ。同日にはアルゼンチンも政策金利を引き上げたが、利上げ幅は2.5%に達した。

■FRBのペースに合わせるには利上げ4回必要

 FRBが今年、政策金利を2.25-2.5%まで引き上げるとすれば、韓銀は年内に残された5回の金融通貨委で4回は利上げを行い、米国と同水準の金利を維持する必要がある。韓国の金利が米国を下回れば、ドルを中心に資本流出が起きる可能性があるからだ。問題はそうした急激な利上げが景気の鈍化につながりかねないことだ。韓銀の苦悩は深まらざるを得ない。延世大の成太胤(ソン・テユン)教授は「金利が急激に上昇すれば、家計と企業の金利負担が増え、雇用、投資、消費に支障が出る。漸進的に流動資金を減らす方向へと慎重な政策を取るべき局面だ」と指摘した。

 金融通貨委の朱尚栄議長代行は「1月の利上げにもかかわらず、輸出には支障がなく、3月以降は消費も回復が見られるなどポジティブな要因があり、利上げによる一部のマイナス影響は相殺できるのではないか」と述べた。

孫振碩(ソン・ジンソク)記者

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