【4月20日付社説】盧貞姫選管が招いた惨事、政権防衛用の選管はもういらない

 韓国中央選挙管理委員会の盧貞姫(ノ・ジョンヒ)委員長が「大統領選でのコロナ感染者の事前投票(期日前投票)管理に対する責任を痛感する」とし、辞意を表明した。盧委員長は中央選管全体会議で「国民に心配をかけたことに対し、改めて深く謝罪する」とも述べた。問題が起きて44日目のことだ。

 大統領選の事前投票は投票用紙をかごや即席麺の段ボール箱に入れて運んだり、既に選択印が押された投票用紙を有権者に手渡したりするなど混乱の中で行われ、強い批判を受けた。民主主義の基本である直接・秘密投票の原則を何とも思わないような状況が全国各地で起き、「衝撃的な選挙トラブル」だとする嘆きの声が相次いだ。その上、選挙管理の最終責任者である盧委員長は事前投票で混乱が起きた日、休日だという理由で出勤もしていなかったことが分かり、公職者として最小限の責任感すら見られないという非難と辞任要求に直面した。

 しかし、盧委員長はこうした状況でも部下に責任をなすりつけ、弁明に徹した。選管事務総長が辞任し、選管の常任委員も去就表明を求めたが、遅れて謝罪談話を発表した後、「さらにしっかりやっていく」と発言した。検察には職務怠慢などで告発され、野党は弾劾訴追を目指すとしたが、民主党は「辞任要求は選管業務をまひさせるものだ」として、盧委員長をかばった。地方選挙を控え、自分たちの味方である盧委員長が選管を守ることが有利だという思いからだ。盧委員長がこれまで地位を守ろうとしたのも民主党を信じていたからだろう。

 盧委員長は大法院の主審を務めた裁判で法律の条文もまともに読まずに判決を下し、下級審で判例が覆されるなど恥をかいたことがあり、人事聴聞会で政策に関する60項目余りの質問に別の選管委員候補者が提出した答弁をそのまま読み上げた人物だ。一言で表現すれば資格を満たしていない。文在寅(ムン・ジェイン)政権寄りの判事のグループである「ウリ法研究会」出身でなければ、元々大法官にはなれなかった。「盧貞姫選管」はそんな政権に恩返しするかのように民主党の選挙応援団に転落した。21世紀の大韓民国の選挙を管理する憲法機関だとは信じられない水準へと落ちぶれた。こんなことが再び起きてはならないという教訓とすべきだ。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい