「チョ・グク氏と警察が蔚山市長攻撃…青瓦台特別監察班の報告書、写真撮っておいた」

 青瓦台による柳在洙(ユ・ジェス)元釜山市経済副市長に対する監察もみ消し疑惑などを暴露したキム・テウ元青瓦台特別監査班員(元検察捜査官)が25日、青瓦台による蔚山市長選介入事件の裁判に証人として出廷し、2018年3月ごろ、「チョ・グク民情首席秘書官と黄雲夏(ファン・ウンハ)蔚山地方警察庁長(現民主党議員)が一緒に当時の金起ヒョン(キム・ギヒョン)蔚山市長を攻撃している」という内容の報告書を見たと証言した。18年6月の地方選を約3ヵ月後に控えた状況だった。金元捜査官は同報告書を当時の李仁杰(イ・インゴル)特別監察班長(現弁護士)に見せると、「セキュリティーに留意するように」と注意された事実も明らかにした。

 ソウル中央地裁で同日開かれた裁判に証人として出席した金元捜査官は、検察から「18年、特別監察班員として在籍していた当時、共用プリンターで『チョ・グクが黄雲夏と組んで、金起ヒョンを攻撃している』という動向が記載された報告書を見たことがあるというが」と問われたのに対し、「その通りだ。文書には『そうした情報が聞こえてくるので、うまく対処しなければならない』という動向(が書かれていた)」と答えた。文書の具体的な内容を問う質問には、「(金起ヒョン元市長関連の)捜査情報なのか状況なのかはよく覚えていないが、そんな捜査関連の内容が青瓦台から(警察に)下りていたことを知り、非常に驚いた」と証言した。

 検察が「その報告書を当時の李仁杰特別監察班長に見せたのか」と質問すると、金元捜査官は「セキュリティー問題があるため特別監察班長に渡し、(班長が)さっと奪いながら、セキュリティーに気をつけろと言われた」と答えた。 また、当時その文書を撮影したが、持っていれば問題になると思って削除し、まだ復旧していないと説明した。青瓦台民情首席秘書官室が金元市長に関する動向報告書を持っていたという供述が法廷で明らかになったのは今回が初めてだ。 当時は蔚山地方警察庁で金元市長に対する捜査が行われていた。法曹界関係者は「青瓦台民政首席秘書官室から金起ヒョン市長に対する警察捜査を継続的に指揮していた状況が明らかになったものだ」と述べた。

 一方、事件の被告として裁判を受けている宋哲鎬(ソン・チョルホ)蔚山市長は「6月1日に地方選挙があり、(選挙前の)2週間程度がとても重要なので、その期間だけでも裁判を延期してもらいたい」と求めたが、裁判所は「他の裁判でもなく、公職選挙法違反の裁判を受けているのに、選挙のために裁判(日程)を調節してほしいというのは受け入れがたい」として拒否した。ただ、選挙2日前の5月30日に予定される公判は開かれないことになった。

リュ・ジェミン記者

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