【4月27日付社説】どういう意味なのか理解しがたい文大統領の最後の詭弁

【4月27日付社説】どういう意味なのか理解しがたい文大統領の最後の詭弁

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が任期最後の記者懇談会とテレビ対談で「不動産価格上昇は世界的な現象だった」「韓国の上昇幅は最も小幅な方に属する」と述べた。KB国民銀行の調査によると、ソウル市内のマンション売買価格はこの4年間で90%以上も高騰したという。20代の会社員は「2017年に3億ウォン(約3000万円)だったマンションが8億ウォン(約8000万円)になった」と嘆いた。世界の主要国の中で最悪と言えるだろう。地方の不動産価格まで含めた全国平均値を利用して、不動産政策の失敗を歪曲(わいきょく)したのだ。文政権は政権中ずっとこうした統計の粉飾と歪曲にふけってきた。

 文大統領は「裁判中の事件も職権乱用レベル」と言い、文政権の犯罪容疑の数々を大したことでないように言った。蔚山市長選挙工作は、自身の友人を当選させようと青瓦台(大統領府)秘書室内の八つの組織が乗り出してきて野党候補者を無理やり捜査し、ほかの候補者を買収した選挙介入事件だ。月城原子力発電所1号機の経済性操作は文大統領の一言から始まり、長官が「お前、死にたいのか」と部下を脅して資料を操作・隠蔽(いんぺい)・削除させた。月城1号機の早期閉鎖は損失額だけで5652億ウォン(約570億円)だ。文大統領の娘一家の海外移住を手伝った李相稷(イ・サンジク)議員は数百億ウォン(数十億円)の横領容疑の捜査を逃れ、国会議員にまでなった。職権乱用レベルどころか、国の規律を乱すレベルだ。

 文大統領は尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領について「検察総長(日本の検事総長に相当)として任期を全うすることが重要だったのに、中途でやめたのは望ましくない」と言った。途中でやめさせたのは文大統領の方だ。政権が「検察捜査権完全剥奪」により検察をなくすという脅迫で検察総長が辞表を提出すると、文大統領は直ちに受理した。今の尹次期大統領を生んだのは文大統領であるのにもかかわらず、「野党候補者になって(大統領選に)当選したのは皮肉なこと」と言った。

 「検察に『生きている権力(現在の政権)も捜査せよ』と言ったのは本心だったのか」という質問に、文大統領は「事実、そうすべきだ」と答えた。ところが、文政権は蔚山市長事件、月城原発操作、李相稷議員捜査、大庄洞開発疑惑捜査を全て阻み、先延ばしした。裁判まで握りつぶした。文政権の犯罪容疑の捜査を阻む「検察捜査権完全剥奪」仲裁案については「うまくいった」と言った。任期が終わる瞬間まで、「幽体離脱(責任回避のため当事者でないように振る舞うこと)」「ネロナムブル(私がすればロマンス、他人がすれば不倫=身内に甘く、身内以外に厳しいこと)」「詭弁(きべん)」ばかりだ。だから、国民の批判を浴びて政権を失ったのに、「全てうまくやった」と言っているのだ。

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