【コラム】文在寅大統領の肖像画(上)

「常にいつもあっちの方が問題」という大統領、「選挙中立ルール」否定も

「正義の独占」誰もできない…平常心で「自分の肖像画」を見てほしい

 「盧武鉉(ノ・ムヒョン)の大きな政府」を小さくするのが李明博(イ・ミョンバク)次期大統領の目標だった。2008年1月28日、退任まであと28日となった盧武鉉大統領は「私は5年間、根拠のない疑惑提起、論理もない反対のためにつらい目に遭った。当選(して発足)する政権だからと言って、目をつぶって何が何でも支持してやらなければならないということではない」「(政府組織法改正案に)署名することは、これまで政府がしてきたことが間違っていると認める結果になるだろう」と語った。

 「美しい退任」などない。敵に宝物を渡すような心境だろう。最後のひとしずくの権力まで絞り出して後任者を痛い目に遭わせる場合もある。「前職大統領と現職大統領の美談製造国」米国でも低劣な行為が多かった。数十年前、退任直前の大統領がホワイトハウスのトイレを修理したという。立って用を足す小便器をすべて座便器に変えた。歩行障害のある後任者が小の方の用を足す度に苦労させようという低劣な行為だった。

 大統領をめぐって「主体思想派(北朝鮮の主体思想追従)運動団体系の操り人形」という言葉が飛び交った時のことだった。大統領に近い人物が次のようなことを言ったという。「とんでもない。青瓦台(大統領府)で大統領に口で勝てる人は1人もいない。民情首席秘書官や秘書室長を務めた経験を侮ってはならない。教育問題を持っていくと不動産・税金問題で反論される。一介の長官がどうして(大統領の)考えを覆すことができようか」。半信半疑だった。

 25日と26日に放送された3時間にわたる文在寅大統領の対談を見るには忍耐が必要だった。それでも意味はあった。一問一答型記者会見では見ることができなかった表情や振る舞いなど、さまざまなシグナルが登場した。5年間にわたる気がかりがかなり解消された。

 支持率40%台の文大統領は大統領選挙敗北の原因が「政権に対する審判」だったことを認めなかった。「私は一度もリングの上に上がったことがない」と言った。番組を進行する孫石熙(ソン・ソッキ)元JTBCキャスターがあらためて「現職大統領がリングの上に上がれないのはルールだ」と言うと、大統領は独り言のように「別にルールなのかよく分かりません」と言った。

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