トヨタ951万台VSテスラ106万台…老将は死なず(上)

昨年1年間でトヨタの販売4.7%増加

徹底した供給網管理、半導体不足を克服

「ギガ実用主義のテスラ」、「ナノのテーラーメード」のトヨタ

トヨタ951万台VSテスラ106万台…老将は死なず(上)

 トヨタは4月28日、2022年3月期の全世界での販売台数が951万台(系列企業除く)で2019年に次ぐ過去2番目の数字を記録したと発表した。半導体の供給不足で生産・販売台数が急減している他社とは異なり、トヨタは生産・販売台数がいずれも前年を4.7%上回った。特に3月の販売台数(86万台)は過去最高だった。

 世界の自動車業界は最近、テスラに追い付こうと必死だが、世界トップの自動車メーカー、トヨタは確固たる存在感を示している。漢陽大のパク・チョンギュ兼任教授は「テスラを将来の明るい少年とするならば、トヨタは老練さにあふれる中年だ。最近の市場の関心はテスラに集中しているが、トヨタを決して甘く見てはならない」と指摘した。

■ギガ実用主義とナノのテーラーメード

 最近世界の自動車業界のロールモデルは断然テスラだ。ものづくりと改善に代表される「トヨタ生産方式(TPS)」は押されぎみだ。韓国の自動車部品メーカー代表も「車に組み立て上の欠陥があっても、革新とは何かを見せつけるテスラに熱狂する時代だ」とし、「完璧な品質を追求するものづくりの時代は過ぎた」と評した。テスラの時価総額もトヨタを圧倒する。年間100万台を販売するテスラの時価総額は年間1000万台を販売するトヨタの時価総額の3.8倍で、世界の自動車業界でトップだ。しかし、専門家はトヨタの底力は無視できないと指摘する。

 テスラとトヨタの生産方式は「ギガ」と「ナノ」で鮮明に対比される。テスラは最近、米テキサス州、ドイツ・ベルリンに「ギガファクトリー」を設けた。特に「ギガキャスティング」と呼ばれる大型プレスで最大限の自動化を進めた。数十・数百の部品を繋いでつくった車体を一体成型で作り出し、時間、費用、重量を節減する製法だ。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は「究極的にはプレス機がおもちゃの車を一度に作り出すように実際の大きさの車も作っていく」と話した。テスラのギガ製法は断然革新的だが、事故が起きれば巨額の修理費用がかかる弱点もある。

 一方、トヨタが最近発表した新型レクサスLXは厚さの違う板材と板材をレーザーで溶接し、一枚の板材にする「テーラード・ウェルデッド・ブランク」(TWB)と呼ばれるナノ製法を採用した。洋服の仕立て屋のように車体を部分ごとに必要な数値と強度で生産し、一つ一つ最適の効率を達成する方式だ。トヨタはそれによって、既存モデルよりも車体重量を200キログラム減らした。自動化は進めるが、熟練技術者が絶えず生産方式を改善するトヨタの伝統を守っている格好だ。

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