韓国法曹界「文大統領、自分に捜査免除権付与…権力者は快哉を叫ぶだろう」

韓国法曹界「文大統領、自分に捜査免除権付与…権力者は快哉を叫ぶだろう」

 韓国与党・共に民主党が3日、国会本会議で「検察捜査権完全剥奪」法案のうち、検察庁法改正案に続き、刑事訴訟法改正案も強行採決したことを受け、法曹界や学界から「立法の暴走」だとする批判が相次いだ。その後、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国務会議(閣議に相当)を開き、検察捜査権完全剥奪法案を議決、公布すると、法律専門家らは「大統領が自分に『検察捜査免除権』を与えた」と批判した。

 文大統領が閣議で検察捜査権完全剥奪法案を議決した直後の同日午後4時半、朴成鎮(パク・ソンジン)大検察庁次長検事(検察総長職務代理)は大検察庁で会見し、「国会はもちろん、政府でさえもが突っ込んだ討論と慎重な審議過程を無視するなど、法律改正の全過程で憲法上の適法な手続きの原則が守られず、ひどいとしか言いようがない」とし、「今後、憲法訴訟を含む可能な限り全ての法的手段を検討するなど積極的に対応していく」と表明した。

 これに先立ち、大検察庁は同日午前、全国検察構成員3376人による陳情文を青瓦台に送り、「国民的共通認識の上で(法改正が)なされるように、憲法に規定された再議要求権を行使してくださることを最後に切に訴える」としたが、検察捜査権完全剥奪法案は結局国務会議を通過した。

 韓東勲(ハン・ドンフン)次期法務部長官は、同日午後4時20分ごろ、「国会人事聴聞会で検察捜査権完全剥奪の立法と公布の問題点、対策について、法務部長官候補者として意見を詳細に申し上げる」と表明した。韓氏が検察捜査権完全剥奪法に対する批判を行うことを予告したと受け止められた。韓氏の人事聴聞会は4日に予定されていたが、9日に延期された。

 韓国憲法学会長を務めた申平(シン・ピョン)弁護士は同日午後、国務会議の終了直後、ソーシャルメディアに「検察捜査権完全剥奪法は保守であれ進歩であれ、(権力を)持てる者には非常に良い制度として機能する。特に政治権力の片隅でも占めた人たちは快哉を叫ぶに値する制度だ」と投稿し、文大統領と民主党を批判した。

 弁護士団体「善良な法律をつくる人たち」のキム・ヒョン常任代表も声明を出し、「改正案の通過は手続き的に違法であり、内容も憲法に反する。熟慮の期間もなく、拙速に通過させた改正案は必ずや廃止されなければならない」と主張した。

 法曹界では、民主党が刑事訴訟法改正案を可決した瞬間から批判論が巻き起こった。約1500人の法学教授で構成された韓国法学教授会は声明を出し、「検察捜査権完全剥奪法案は70年続いた刑事司法制度の根幹を変更する事案の重大性からみて、立法の緊急性は全く見当たらない」とし、「国会法上の立法手続きを守らなかったことは、議会主義と法治主義理念の深刻な毀損と同時に、国会議員の審議・表決権を侵害する違法性がある」と指摘した。

 法学教授会は民主党が「10日以上の立法予告、案件調整委員会での議論、公聴会・聴聞会の開催」などを全て省略し、「手続き的に国会法上の法案審議手続きを形骸化した」と批判。「拒否権を行使することが憲法順守と法律の最終執行責任を負っている大統領の当然の責務」だとした。。

 大邱高検の権純範(クォン・スンボム)検事長は刑事訴訟法改正案の国会通過を受け、検察の内部ネットワーク「イープロス」に辞意を表明する文章を掲載し、「大韓民国の国格と人権が後退する現実には惨憺(さんたん)たる思いだ。歴史の審判が伴うだろう」とし、「独善と不通が染みついた今回の立法の惨事を反面教師として、毎事について自ら振り返りたいと思う」と話した。

 一方、大韓弁護士協会は同日、「国民のための検察改革立法推進 弁護士・市民フィリバスター(無制限討論)」の4日目を開催した。 朴元淳(パク・ウォンスン)元ソウル市長による性暴行被害者の法律代理人を務める金在蓮(キム・ジェリョン)弁護士が講演者として登場し、「熟練した法律専門家である検事から捜査を受ける国民の権利を突然剥奪することにはいかなる名分も理由もないと考える。立法者が先頭に立って法治主義を損ねた」と指摘した。

イ・ジョング記者

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