「政府債務増加ペース速すぎ」…退任控えた洪楠基経済副首相、今になって認める

「政府債務増加ペース速すぎ」…退任控えた洪楠基経済副首相、今になって認める

 韓国の洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政部長官は4日、退任を控えた最後の記者懇談会に臨み、「韓国の政府債務(の対GDP比)は50.1%になるが、先進国と比較すると良好だ評価している」と述べ、任期中に財政の健全性が悪化していないとの立場を表明した。その上で、経済協力開発機構(OECD)加盟国の政府債務比率が「120ー135%まで上昇した」と指摘した。

 洪副首相は消費者物価指数が4.8%上昇した点についても、「懸念が大きいが、世界的なインフレが作用している状況を考慮すべきだ。他の先進国は韓国よりも1.5倍、2倍の物価上昇で苦しんでいる」として、先進国よりも物価上昇率が低いという論理を展開した。

 新政権の発足と同時に退任する洪副首相は9日、政府世宗庁舎大講堂で離任式に臨む。2018年12月11日に就任してから在任期間は1246日で、これまで企画財政部長官としては最長だった尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)氏(842人)を大きく上回った。

 洪副首相の就任前に30%台だった政府債務の対GDP比は今年、50%へと上昇した。洪副首相は19年4月16日の国家財政戦略会議で「これからも政府債務比率40%のラインを維持する」と報告したが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「40%の根拠は何か」と質問すると、ラインを50%に上方修正した。

 洪副首相は在任中、7回の追加補正予算を編成した。洪副首相は「7回の追加補正予算はコロナのせいで避けられなかったと思う。その過程で政界とは山あり谷ありだったが、(その時点に)戻っても同じことをしたと思う」と述べた。洪副首相は政界が追加補正予算を要求するたびに当初は財政の健全性に対する懸念を理由に反対したが、結局は全て受け入れた。このため、四字熟語の「竜頭蛇尾」(初めは勢い盛んで、後半衰えること)にちなみ、「洪頭蛇尾」などと呼ばれた。

 しかし、政府債務比率の上昇ペースが速いという点は認めた。洪副首相は「政府債務の絶対規模は良好だが、債務比率の上昇ペースがあまりに速い。そこに格別の警戒心を持つ必要があるとの考えには今も変わりがない」と述べた。

 洪副首相は在任中残念だった点として、不動産価格の安定、財政準則の法制化、サービス産業発展基本法を挙げた。不動産政策は文在寅政権で最も失敗した政策に数えられる。財政準則は企画財政部が20年10月に政府債務比率を60%、統合財政収支の赤字割合を3%以内に管理するという「韓国式財政準則」を国会に提出したが、進展がなかった。サービス産業発展基本法は21年12月、国会に提出されたが未処理のままだ。

キム・テジュン記者

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