喘息患者の入院率、韓国はOECDの2倍なのに60%は1年間検査なし

肺機能検査を受ける割合はわずか4%

 韓国のぜんそく患者の10人に6人は症状管理に必要な肺機能検査を1年に1回も受けていないことがわかった。韓国でぜんそくが悪化し入院する割合は人口10万人あたり65人(2019年)で、これはOECD(経済協力開発機構)平均(34.4人)のほぼ2倍に相当する。ぜんそくの診断を受けた人の割合は全国民の3.2%に達している。

 健康保険審査評価院が2日に明らかにしたところによると、2020年7月から21年6月までの1年間にぜんそくで病院などを訪れた満15歳以上の40万198人のうち、肺機能検査を1回以上受けた患者の割合は42.4%(16万9685人)にとどまった。大韓結核呼吸器学会は「ぜんそく患者の症状悪化を早期に発見するために最低でも1年に1回以上の肺機能検査を」と推奨している。ぜんそくはアレルギー反応や炎症などにより呼吸困難、せき、ぜいぜいする息、胸のつかえなどの症状が出る病気だ。健康保険審査評価院は「2016-19年に肺機能検査が行われた割合は31.0%、35.1%、36.9%と少しずつ増加しているが、それでも低い水準だ」と強調した。

 年齢別にみると90歳以上の肺機能検査実施率は27.6%にとどまり、続いて低い順に15-19歳(29.2%)、30代(35.2%)、40代(35.7%)と続いた。また女性(40.9%)の方が男性(44.2%)よりも検査を受ける割合が低かった。韓国国内の19歳以上のぜんそく有病率は3.2%(2019年)で、65歳以上は5.0%と年齢が高くなるほど有病率も高い傾向になった。

 病院の種類別に肺機能検査が行われる割合をみると医院クラスが26.8%と最も低く、また医院クラスのうちほぼ半分は肺機能検査機器がないこともわかった。最近はブース型の検査機器の他に手のひらサイズの簡易検査機でも基本的な肺機能の測定が可能で診療報酬も支払われている。

 ぜんそくの悪化を防ぐ代表的治療薬の吸入ステロイド薬が病院や医院で処方される割合は55.9%にとどまった。手の指サイズのL字型携帯用呼吸器を使って投与される吸入ステロイド薬は副作用がほぼなく、内科や耳鼻咽喉科、小児科などで幅広く推奨されている。呼吸機能が弱い小児や高齢者などはプラスチック製のペットボトル型あるいはマスク型の補助容器(スペーサー)を呼吸器につけて使用すればより簡単にステロイド薬の吸入が可能になる。

 韓国政府から高い評価を受けているぜんそく治療病院のリストは健康保険審査評価院ホームページ(hira.or.kr)の「医療情報→地域医療情報→私たちの地域の良い病院探し」のメニューで疾患名(ぜんそく)を選択すれば検索できる。

宣政敏(ソン・ジョンミン)記者

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