【寄稿】韓国人が一度も経験したことのない大統領…彼を記憶すべき6つの理由(上)

チョ・グク問題から「検察捜査権完全剥奪」まで
無能だが「善良な」文大統領の実体とは

【寄稿】韓国人が一度も経験したことのない大統領…彼を記憶すべき6つの理由(上)

 「無能だからなのか、人は良い」。この5年間韓国を統治した文在寅(ムン・ジェイン)大統領について、このように語る人が結構いる。高い地位にある人物が無能だとしたら、それこそ悪いことではないのかと問い返してみるが、そんなことを言うなら、良い人間はどれくらいいるのかという反論にぶつかったりする。私の評価があまりに辛口なのだろうかと悩んでいたとき、文大統領が孫石熙(ソン・ソクヒ)氏と交わしたテレビ対談を見た。文大統領自身は、退任後「忘れられた人になりたい」と謙遜していたが、こういう人物はわれわれ韓国人が長く記憶しておくべきだという意味で、対談を通して表れた文大統領の実体を整理してみる。

1. 私は「絶対善」だ

 責任あるポストを辞めるときになると、過日のことが走馬灯のようによぎる。うまくやれたこともあるだろうし、悔しい部分もあって当然だが、退く人間はたいてい後者の方を強調する。自分の業績を自賛するのは恥ずべきことだというのに加えて、自分にできなかったことを後任者がやってほしいと望むからでもある。ところが文大統領は、いかなる過ちも認めなかった。例えば南北関係は、自分の在任期間に衝突が1度もなかったのだからうまくいった、という。朴槿恵(パク・クンへ)政権時代の木箱地雷事件は「衝突」だとしつつ、海を漂流していた公務員が北朝鮮の警備兵に撃ち殺された事件は「衝突」ではないというのも不思議だが、北朝鮮が韓国の財産である南北連絡事務所を爆破した件は、一体何だというのか? 孫石熙氏がこれについて尋ねると、文大統領はこう答えた。「それは批判すべき問題ではないですよ。なぜ批判するんですか?」 自分がどのような大統領として記憶されたいかという質問に「危機に直面したけれど最も成功裏に克服し、先導国家へと引っ張っていった大統領」だと答えたところを見ると、恐ろしいという思いを抱きもする。

2. コロナ…残念で、ありがたい

 新型コロナは、多くの人に苦痛を与えた伝染病だったが、誰にでもそうというわけではないらしい。孫石熙氏との対談で文大統領は、新型コロナを、まるで伝家の宝刀のように振り回した。不動産価格の暴騰は新型コロナによって流動性が増大したからで、大統領選の公約だった最低賃金1万ウォン(約1000円)を達成できなかったのもコロナが突然起こったせい。記者会見の回数が少ないのは「記者と会おうとするたびにコロナの状況が悪化したからだ」。このほかにもコロナは、チョ・グク問題の後で支持率下落に直面していた民主党に総選挙で圧勝をもたらし、政権に反対するデモを根本から封鎖してくれた。こうなると、文大統領は「コロナのおかげだった」と言いかねないのではないだろうか。

3. 言い訳の帝王

 もちろん文大統領は、全てをコロナのせいにするほど偏狭な人物ではない。韓日関係が悪化したのは「韓国政府は変わっていないのに日本が右傾化したから」だし、自ら約束していた公職者任命時の「5大不可」原則を政権の初期からきちんと守らなかったことについては「今の目線とは異なる時代を生きる方々に恥をかかせるもの」だとし、むしろ野党の検証を問題にした。最も斬新な言い訳は、民主党が大統領選挙で敗北し、政権交代に至ったことについての思いを尋ねたときに出た。大統領選の期間を通して、政権交代を求める世論は常に60%を上回っており、これは文政権の失敗と密接な関係がある。だから李在明(イ・ジェミョン)候補は文大統領を批判し、距離を置いたのだろうか? ところが文大統領は次のように語る。「残念な点を語るとすれば、私は1度もリングに上がってみたことがない。なのに、まるで(大統領を見て)選挙に負けたかのように言うのは、ちょっと問題があると思える」

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