参議院選挙まであと2カ月と迫った。結果は「どうせ自民党が勝つ」と決まっていて、雰囲気が変わることはない。だが日本特有の自書式投票法を巡っては、再び論争が始まりそうな雰囲気だ。日本は、有権者が直接、政党(比例代表)、候補者(選挙区)の名前を投票用紙にそれぞれ鉛筆で書くという、独自の投票方式を維持しているが、これは「ガラパゴス投票法」だという批判が再浮上しているのだ。
日本の投票方式が再度問題になる理由は、野党側の「民主党争奪戦寸劇」のせい。野党の立憲民主党と国民民主党は、昨年の衆議院選挙のときから、自党の正式な略称として「民主党」という名前にこだわっている。各政党の正式な略称は、投票所に掲示される「政党一覧表」に公式記載される。比例代表の投票用紙に略称だけを書き込んでも、有効票として認めてもらえる。この二つの野党は、2009年に政権交代に成功した民主党という名前を諦め切れず、二つの政党が同じ略称を使うという出来事が起きているのだ。
結局、昨年の衆院選で、民主党と書かれた362万票は各政党の得票比率に合わせて案分された。どの民主党なのか正確に分類できず、規定に基づいて処理した結果だ。それが本当に有権者の意向だったのか、疑問として残るのはもちろんだ。だが両党は、今年の参議院選挙でも「民主党」の略称を重複して使おうという立場。そのせいで「今こそ日本の投票方式を変えるべき」という声が一段と強まっている。
自書式投票方式にこだわるから、いつも無効票の問題が生じる。政党や候補者の名前を大きく間違えて自動判別機械の分類カテゴリーから外れる「疑問票」が多数出るからだ。高齢化社会においては問題はさらに深刻化するだろう、という懸念も大きい。表記が煩わしくて投票を放棄する人が増えたら、それでなくとも低い投票率(昨年の衆議院選挙で55.93%)がさらに落ちかねない-という心配もある。候補者の姓・名が同じだと、一層混乱する。今では政党の略称まで同じというハプニングが起きた。
無効票を減らして投票率を高めるために、他国のように記号式投票や電子投票が代案として挙げられる。だが日本の国会議員の多くは、依然として「有権者が直接名前を書いて選んでくれることに自負を感じる」として、既存の制度を擁護しているという。
よほどでないと既存の制度を変えようとしない姿は、日本で常に繰り返される風景だ。全てにおいて慎重な文化や基本的な傾向もあるが、「他人が何と言おうと、日本式の制度なりの良さがある」「日本の現行制度もそんなに悪くない」という、自国に対する自負と肯定が制度改善要求を圧倒する。しかし、この先もこんなやり方が引き続き有効なのかというと疑問だ。自国のやり方で成功した栄光ばかりを記憶し、過去のやり方にばかり固執する「先進国のわな」に陥っているのではないだろうか。
東京=崔銀京(チェ・ウンギョン)特派員