父と毎日1000本シュート練習した少年ソン・フンミン…移籍料8000万ユーロの大スターに

【ソン・フンミンEPL得点王】
「ゴールデンブーツ」はソン・フンミンの手に…その裏には汗と涙が

父と毎日1000本シュート練習した少年ソン・フンミン…移籍料8000万ユーロの大スターに

 ソン・フンミン(29)=トッテナム・ホットスパーFC=は23日、アジア人選手初の英プレミアリーグ(EPL)得点王になり、「幼い時から夢見ていた目標を成し遂げた。(得点王に贈られる賞『ゴールデンブーツ』のトロフィーは)本当に重い。今、私の手にあるというのが信じられない」と感激を語った。

■「地球代表選手」に成長

 ソン・フンミンの父親でサッカーの師でもある孫雄政(ソン・ウンジョン)SONサッカー・アカデミー代表は2018年のワールドカップ(W杯)ロシア大会前、韓国の番組のインタビューで、「(ソン・フンミンは)絶対にワールドクラスではない」と断言した。だが、選手として常に謙虚でなければならないことを強調してきた父も、今や息子が世界的なFWになったことを認めている。

 2021-22年シーズンのソン・フンミンはすさまじかった。リーグの最後の10試合で12ゴールを決めた。トッテナムは彼を前面に押し出してプレミアリーグ4位になり、来シーズンのUEFA(欧州サッカー連盟)チャンピオンズリーグ出場権を獲得した。ソン・フンミンはサッカー選手にとって最高の名誉である「バロンドール」の最終候補にも再び名を連ねる見通しだ。2019年には世界のメディアによる投票の結果、アジア人選手の中で過去最高の22位になった。今回は15位前後になるとみられている。地球を代表するサッカーチームを1つ作るとしたら、ソン・フンミンは十分に主力選手の座を競えるレベルになった。

■「成績は前払い」…投資を重ねる

 ソン・フンミンは自身のエッセイ『サッカーをしながら思ったこと』で「私がつらそうな様子を見せるたび、父は『成功は前払いだ』と言った」と書いている。10年後、20年後を見て人生に投資しなければいい結果は出せないという意味だ。彼の父親はけがのため28歳でプロサッカー選手生活を終えた。現代や一和などのサッカーチームに所属して37試合に出場、7得点という記録を残した孫雄政氏は、自身のことを「ただそれくらいの選手だった」と評する。

 引退後は自分の経験と研究をもとに指導者の道を歩んだ。ソン・フンミンが小学校3年生の時から中学校卒業までドリブルやリフティングなどボールを扱う技術中心に徹底的に練習させた。右利きの息子が左足もうまく使えるように、靴下やズボンを履く時やサッカーシューズのひもを結ぶ時も左からするよう促した。

 ソン・フンミンは独ハンブルガーSV時代に父親の指導で今のシュート技術を完成させた。2011年夏に毎日1000本ずつシュートをした。位置を移動させながら右足で500本、左足で500本蹴ったという。今や左足のシュートの方が楽に感じられるほどになったとのことだ。

■「24時間サッカー」喜んで受け入れる

 ソン・フンミンは「私は天才ではないので、24時間すべてサッカーにつぎ込まなければ今の競技力を維持できない」と話す。趣味もインターネットのサッカーゲームだ。競技力向上のためには時間も費用も惜しまない。韓国から専門のフィジカル・トレーナーを呼び寄せ、体のケアを任せている。家族の献身も欠かせない。父親の孫雄政氏は、16歳でハンブルガーSVのU-17チームに入った息子が韓国料理を恋しがると、ドイツに炊飯器を持って行ってご飯を炊いた。母親は今も英ロンドンで韓国の家庭料理を作っている。

 「プレミアリーグ優勝に挑戦できるというなら、私は喜んで『24時間サッカー』生活を受け入れたい。チャンピオンズリーグ決勝戦でプレーできるなら、私はいくらでも修行僧として生活することができる」。ソン・フンミンがエッセイで明らかにした覚悟だ。韓国代表チームの主将でもある彼は24日に帰国して休息を取り、30日に韓国代表チームに合流する。韓国は来月、国内でブラジルなどを相手に4回のAマッチ(国家対抗戦)を行う。

成鎮赫(ソン・ジンヒョク)記者

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