【独自】文在寅政権の4年間で342億ドルが海外流出

【独自】文在寅政権の4年間で342億ドルが海外流出

 文在寅政権が法人税率を引き上げた2018年から2021年までの4年間、43兆ウォンを超える企業資金が海外に流出したとの集計がまとまった。本紙が韓国経済研究院に依頼して試算した結果、法人税率引き上げ以降、18~21年には外国人による韓国への投資規模が58億7000万ドル減少した一方、韓国企業の海外投資は283億8000万ドル増加したことが分かった。純流出は342億6000万ドルに達する。

 大企業の法人税負担増大以外に海外生産拠点の拡大傾向、製造業以外の投資増加なども影響を及ぼしたが、18年と19年の韓国企業による海外投資はそれぞれ前年に比べ13.9%、24.2%急増した。ある大企業の役員は「前政権で法人税最高税率は上がったが、投資に対する税制優遇はむしろ縮小した」とし、「税負担に強硬な労組、政府による規制まで重なり、海外に出た方がメリットがある企業が多い」と指摘した。

 文在寅政権は任期1年目の17年、法人税最高税率を1990年以来27年ぶりに22%から25%に引き上げ、18年から適用した。経済協力開発機構(OECD)加盟国の法人税最高税率の平均(20年時点)は21.5%だ。

 法人税率引き上げは、国内での設備投資にも影響を及ぼした。韓国経済研究院は「法人税最高税率の引き上げで最大11.9%設備投資が減少する影響があると試算された」と説明した。昨年の設備投資額180兆4000億ウォンに基づけば、21兆5000億ウォン減少することになる。韓国企業の設備投資は18年(2.3%減)、19年(7.5%減)と2年連続で減少した。

 韓国経済研究院は法人税最高税率が1ポイント上がれば、設備投資は最大3.6%減少すると試算した。 また、外国人による国内直接投資(FDI)は17億8000万ドル減少し、国内企業による海外直接投資(ODI)は86億ドル増加。合計で103億8000万ドルの投資純流出の副作用があることが分かった。海外に流出した韓国企業の投資額の方が多かったことを意味し、それだけ韓国の投資魅力が低下したと解釈可能だ。

 統計庁によると、歴代政権の年平均海外直接投資件数が盧泰愚(ノ・テウ)政権(828件)、金泳三(キム・ヨンサム)政権(2645件)、金大中(キム・デジュン)政権(3607件)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権(9409件)、李明博(イ・ミョンバク)政権(9499件)、朴槿恵(パク・クンヘ)政権(8138件)だったのと比べ、文在寅政権(1万2169件)ははるかに多かった。韓国経済研究院のイ・サンホ経済調査チーム長は「前政権では過度な規制など反企業ムードに法人税率引き上げまで加わり、苦境を訴える企業が多かった」と話した。

 文在寅政権が法人税最高税率を引き上げた18年、米国は投資誘致を図るため、法人税率を35%から21%へと14%ポイントも下げ、英国・フランスなどヨーロッパでも法人税引き下げ競争が繰り広げられただけに、韓国だけが逆行していると指摘された。

 これを受け、尹錫悦(ユン・ソクヨル)新政権は7月、税法改正案に法人税最高税率引き下げ案を盛り込む予定だ。文在寅政権以前の水準(22%)に戻す案が有力視されている。秋慶鎬(チュ・ギョンホ)経済副首相兼企画財政部長官は18日、「韓国の法人税率や体系が先進国と比較して改善、改編の必要があるという問題意識を感じている」と話した。

 文在寅政権が以前の3段階から4段階に複雑化した法人税の累進課税段階も縮小を検討する。20年現在、OECD加盟37カ国のうち33カ国が単一の法人税率体系を採用している。税率体系が単純であってこそ、企業は費用・利益を予測しやすく、投資にもつながる。韓国はポルトガルはいずれも最も多い4段階だ。今後は累進課税段階を2段階(2億ウォン以下と2億ウォン超過)に簡素化する案などが推進される見込みだ。

崔炯碩(チェ・ヒョンソク)記者

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