「子どものころいじめ被害経験、成人後のうつ病罹患リスク1.8倍」=韓国の成人4652人を調査

「子どものころいじめ被害経験、成人後のうつ病罹患リスク1.8倍」=韓国の成人4652人を調査

 子どものころに「いじめ」に遭うと、成人してからもうつ病のような深刻な後遺症が残りかねないという韓国国内の研究結果が出た。いじめの被害者は長期間後遺症に苦しむとあって、早い段階から積極的に対処すべきだという指摘が出ている。

 サムスン・ソウル病院精神健康医学科のチョン・ホンジン教授の研究チームが、満18歳以上の成人4652人を対象に保健福祉部(省に相当、福祉部)の実施した精神疾患実態疫学調査の結果を分析したところ、回答者の5人に1人(19.8%)は「子どものころ仲間外しなどのいじめで心理的トラウマを経験したことがある」と回答していた。

 調査対象者のうち、うつ病を患っている回答者の割合は4.64%(216人)だった。研究チームは、子どものころの暴力によるトラウマがうつの患者にどのような影響を及ぼしたかを分析した。調査によると、うつ病を患っている人のうち、23.6%はいじめによるトラウマを経験していた。また、いじめのトラウマに見舞われた成人は、そうではない人に比べうつ病を患う可能性が1.84倍も高かった。さらに、トラウマの種類とは関係なく、複数の暴力被害によるトラウマを重複経験した場合、うつ病のリスクは大幅に高くなった。例えばトラウマを五つ以上経験した場合、うつ病発症のリスクは、そうではない人より26倍にまで増えると推定された-と研究チームは明かした。

 研究を進めたチョン・ホンジン教授は「いじめは、被害に遭った子どもに生涯つきまとい、苦しめかねない暴力であって、さらに成人してからも対人関係において困難に直面させる」とし「ひとたび被害が発生したら積極的に対処し、他の同伴トラウマがないかどうか確認する必要がある」と語った。

パク・セミ記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • 「子どものころいじめ被害経験、成人後のうつ病罹患リスク1.8倍」=韓国の成人4652人を調査

right

あわせて読みたい