【6月14日付社説】「THAAD電磁波は人体に無害」…調査結果を隠蔽した文在寅政権

 文在寅(ムン・ジェイン)政権は「慶尚北道星州郡のTHAAD(高高度防衛ミサイル)基地で発生する電磁波は人体に無害」との調査結果について報告を受けていたが、これを意図して公開しなかったという。韓国国防部(省に相当、以下同じ)は2018年3月から4年にわたりTHAADレーダーによる電磁波を測定したが、その結果は有害とされる基準値の2万分の1だった。携帯電話基地局の1000分の1で、人体に無害なことがすでに立証されていたのだ。

 ところが当時の政権はこれを公表せず隠した。共に民主党と左派団体が「THAADの電磁波で人間の体が燃える」などとその有害性を主張してきたからだ。文政権は環境評価を口実に5年の任期中はずっとTHAADの正式配備を先送りした。左派団体がTHAAD基地内への物資搬入を妨害しても何の対応もしなかった。無害という調査結果を隠蔽(いんぺい)した理由は、左派団体による反対運動の勢いを失わせないためだった。

 文政権の隠蔽と歪曲(わいきょく)はこれだけでない。韓国産業通商資源部が「脱原発を実行すれば電気料金が2030年までに40%上昇する」との報告書を提出したが、これも公開させず、その一方で「電気料金の値上げは絶対にない」とうそをついた。文前大統領による「月城原発1号機はいつ閉鎖するのか」の一言で産業通商資源部は経済性を捏造(ねつぞう)した。不動産や雇用、所得統計なども政権の意向に沿って常に歪曲・粉飾されていた。

 権力による不正事件も縮小あるいは隠蔽が当たり前のように続いた。蔚山市長選挙への不正介入事件は大統領の前で捜査がストップし、裁判は2年以上にわたり先送りされている。青瓦台(韓国大統領府)と検察の幹部は金学義(キム・ハクウィ)元次官による違法出金事件の捜査にふたをしようとした。李容九(イ・ヨング)元法務次官によるタクシー運転手暴行事件は警察が縮小・隠蔽した。文前大統領の娘の海外移住を支援した李相稷(イ・サンジク)元議員を巡る疑惑もその内幕が解明されていない。

 政権関係者による性犯罪も隠蔽あるいは見逃してきた。朴元淳(パク・ウォンスン)元ソウル市長によるセクハラ容疑に警察は最後まで結論を下さなかった。呉巨敦(オ・ゴドン)元釜山市長による性犯罪は総選挙後に初めて公表された。起訴に9カ月、最初の裁判まで14カ月かかったのだ。朴完柱(パク・ワンジュ)元議員による性犯罪も5カ月にわたり隠蔽されていた。文前大統領は韓国の公務員が西海で北朝鮮軍により射殺・焼却された際には「真実を解明する」と口では言ったが、その後は資料の公開を拒否し控訴まで行った。文前大統領の妻の金正淑(キム・ジョンスク)氏の衣装代や青瓦台特別活動費の公開も最後まで妨害した。国連人権高等弁務官事務所は言論仲裁法に反対しこれを批判する書簡を送っていたが、共に民主党はその事実を隠していた。文政権が歪曲し隠蔽した内容は今後も次々と表に出てくるだろう。

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