「青瓦台次長が『北朝鮮による遺体焼却』を『推定』に変えろと指示」

西海における韓国人公務員殺害事件「国防部に青瓦台公文」騒動

 2020年、北朝鮮軍が西海(黄海)で韓国人公務員を銃殺し、遺体を焼却した事件について、韓国国防部が見解を覆したのは、当時の徐柱錫(ソ・ジュソク)青瓦台(大統領府)国家安保室第1次長の指示だったという話が23日に飛び出した。国防部は当初、「北朝鮮は遺体まで焼く蛮行を犯した」と言ったが、その三日後には「遺体を焼却したと推定される」と見解を変えた背景には、徐柱錫元次長の指示があったということだ。徐柱錫元次長は同日、「『焼却確認』を『焼却推定』に変えるよう指示したことはない」と述べた。

 与党・国民の力の「公務員被撃事件真相調査タスクフォース(TF)」団長を務める河泰慶(ハ・テギョン)議員は同日、国防部で申範チョル(シン・ボムチョル)国防部次官らと面談した後、記者たちに会い、「青瓦台で歪曲(わいきょく)を指示した責任者は徐柱錫元次長だ」「徐柱錫元次長の指示で国防部に『遺体焼却』と確定した見解を変えろという公文書が下った」と言った。

 国防部は公務員の死亡直後の記者会見で遺体焼却を「確認した」「北朝鮮の蛮行を強く糾弾する」と述べた。ところが翌日、北朝鮮が遺体焼却を否定すると、「焼却は推定」と言葉を翻した上、「正確に事実を確認するため、(北朝鮮との)共同調査が必要だ」とも言った。このように見解を翻したのは「青瓦台国家安保室から『事件関連主要争点答弁指針』が下されたため」というのが国防部の説明だという。河泰慶議員は「(青瓦台国家安保室は)当時、国家安全保障会議(NSC)名義で国防部に『遺体焼却に関する見解を変えろ』という趣旨の公文書を送った」とした。徐柱錫元次長はNSC事務処長も兼任していた。

 これに対し、徐柱錫元次長は本紙の電話取材に「NSCの体系を誤解したものだ」と答えた。元次長は「当時はNSC会議で遺体焼却という韓国側の主張と浮遊物焼却という北朝鮮側の主張が異なっていたため、検討しなければならないという議論があった」「それをNSC事務処が配布したものだが、事務処長が歪曲を支持したというのは曲解だ」と言った。

 これとは別に、国防部と海洋警察庁は「文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は韓国人公務員の北朝鮮軍抑留に関する報告を受けても、死亡するまで何の指示も出なかった」とTFに報告した。

 韓国人公務員が北朝鮮軍に捕まっていることを韓国軍が認知したのは9月22日午後3時30分ごろで、文前大統領には午後6時36分に書面で報告された。しかし、文前大統領は何の指示も下さなかったというのが現国防部と海洋警察庁の共通の報告内容だ。結局、この公務員は文前大統領が報告を受けてから3時間後に北朝鮮軍に銃殺された。

 国民が殺害された直後、文前大統領は事前収録していた国連演説で「(韓国戦争=朝鮮戦争の)終戦宣言」を強調した。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が「申し訳ない」と一言言うと、当時韓国の与党だった共に民主党は「北朝鮮糾弾決議案」ではなく「終戦宣言・観光決議案」を国会で通過させた。文前大統領は国家安全保障会議に出席し、アカペラ公演を見て、「北朝鮮の謝罪は異例」と言った。翌日、海洋警察庁の「越北判断(韓国人公務員が自ら北朝鮮にわたろうとしたとの判断)」が発表された。北朝鮮が遭難した韓国国民を射殺して遺体を焼いたとすれば、反北朝鮮世論が強まった可能性が高い。国民の力の関係者は「『遺体焼却確認』を『推定』に変えるなど、事件を小さく見せて隠そうとしたのは、『終戦ショー』のためではないかとの疑いがある」と語った。

 国民の力TFは23日、「国防部は北朝鮮の立場を擁護する権力に屈した」と言った。河泰慶議員は「韓国政府が北朝鮮の味方をするとは想像もできなかった」「新しい(政権の)国防部が真実を追い求めなければならない。それが国防部の規律を取り戻すことだ」と述べた。

キム・ヒョンウォン記者


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  • ▲写真=徐柱錫(ソ・ジュソク)青瓦台(大統領府)国家安保室第1次長/NEWSIS

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