【独自】「青瓦台行政官、海洋警察捜査局長と面会し「耐えられるのか」と圧力」…「越北」発表に新証言

「越北との結論が求められた」との証言
「親文系議員側近出身の青瓦台行政官が捜査局長に何度も電話し怒鳴りながら指示」
担当局長は3カ月後に治安監に昇進

【独自】「青瓦台行政官、海洋警察捜査局長と面会し「耐えられるのか」と圧力」…「越北」発表に新証言

 2020年9月に西海で北朝鮮軍の銃撃により死亡した元韓国海洋水産部(省に相当、以下同じ)職員のイ・テジュンさんについて、海洋警察は青瓦台(韓国大統領府)の指針に従い「越北(北朝鮮への越境)」と発表したが、その直前に青瓦台民情首席室のA行政官が海洋警察捜査情報局長に対し「青瓦台の指示を無視して耐えられるのか」と圧力を加えたとする証言が23日に公表された。文在寅(ムン・ジェイン)前政権当時の青瓦台が海洋警察に対し「越北に重点を置いて捜査せよ」との指針を下しただけでなく、捜査責任者に直接圧力を加えたということだ。このA行政官は共に民主党親文系議員の元側近で、海洋警察を管轄していた。そのため海洋警察幹部の間では「海洋警察の王」と呼ばれていたという。

 本紙の取材を総合すると、A行政官は西海公務員銃殺死亡事件の際、当時の金洪熙(キム・ホンヒ)海洋警察庁長に「越北に重点を置いて捜査せよ」との指針を伝えたという。事件発生から2日後、海洋警察が「越北の可能性も排除できない」と最初の捜査結果を発表した直後だった。金庁長は一部スタッフらと会議を開いたが、青瓦台の指針に従うか決定を下せなかったため、A行政官自ら尹晟鉉(ユン・ソンヒョン)海洋警察捜査情報局長(当時)を訪ねたという。当時の複数の海洋警察関係者が伝えた。このときの状況に詳しいある人物は「A行政官は尹局長に対し『青瓦台の指針を無視して耐えられるのか』という趣旨の内容を伝え強く圧迫した」と説明した。「月城原発経済性捏造(ねつぞう)事件」でも当時に韓国産業通商資源部長官が「原発稼働延長」を報告した部下を「お前、死にたいのか」と脅迫したが、これと非常によく似たパターンだ。

 海洋警察は西海公務員事件の最初の捜査発表で「越北の可能性を排除できない」と説明したが、それからわずか5日後に尹局長自ら中間捜査結果を発表し「越北したと判断している」と断定的な結論を下した。A行政官が尹局長に直接会ったことで発表内容が大きく変わったのだ。その後もA行政官は尹局長に何度も電話をかけ、捜査内容について話し合いを求めたという。海洋警察の元幹部は「尹局長は車で移動中にも電話を受けたが、行政官は怒鳴りながら部下に指示するように捜査内容について質問したとも聞いた」と明らかにした。

 この事件を担当した海洋警察の捜査担当者らは「越北」発表後に次々と昇進した。尹局長は事件から3カ月後に治安監に昇進すると同時に南海地方海洋警察庁長となった。当時、尹局長は階級定年で1年以内に昇進できなければ退職する立場にあった。海洋警察関係者は「尹局長は刑務官だったときに監査院の監査で懲戒を受けたことがあったが、意外にも昇進を果たした」「尹局長にとってA行政官の圧力は都合のいい提案だったのかもしれない」と指摘した。当時尹局長の下で捜査の実務を担当していた課長級の3人も昇進するかあるいは別の高い担当に移った。

 海洋警察はすでに「越北」との結論を撤回した。海洋警察は今月16日「1年9カ月にわたり捜査を行ったが、越北の意図は確認できなかった」と発表した。海洋警察庁の丁奉勳(チョン・ボンフン)庁長も22日「公務員殺害事件の捜査結果発表を巡り多くの誤解を招いた点について国民と遺族の方々に心から謝罪する」と述べた。ソウル中央地検公共捜査1部(チェ・チャンミン部長)は徐薫(ソ・フン)元青瓦台国家安保室長、金宗浩(キム・ジョンホ)元民情首席、李光哲(イ・グァンチョル)元民情首席秘書官について「越北指針疑惑」で捜査を行っている。

 本紙はA元行政官と尹元局長に何度か電話取材を試みたが回答はなかった。金元庁長は「捜査について具体的な指示を行ったことはない」と説明した。それ以外の海洋警察幹部らは「捜査に関与したことはない」と回答したか、連絡がつかなかった。

李世永(イ・セヨン)記者、ユ・ジョンホン記者、カン・ウリャン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • 【独自】「青瓦台行政官、海洋警察捜査局長と面会し「耐えられるのか」と圧力」…「越北」発表に新証言

right

あわせて読みたい