【コラム】まず韓国から日本人のビザなし入国を認めるのはどうか

 ある日本のネットユーザーが先日、韓国のビザを取ったことを示す記念ショットをツイッターにアップロードした。「朝5時45分、東京総領事館到着。番号札30番をもらう。8時30分、総領事館業務開始。8時50分、番号札1番が呼ばれる。9時22分、ビザをもらう」。韓国が6月1日から観光ビザの発給を開始して以来、毎日のように韓国ビザの記念ショットがアップロードされる。貴重なものだからだ。東京総領事館が発給可能な観光ビザは1日150人。熱狂的な韓国ファンでもない一日本人が、夏休みをソウルや済州島で過ごすというのは容易ではない。韓流通りの東京・新大久保では毎日、夕方ごろになると20-30代の若い日本人がハングルの看板を付けた「○○屋台」をぎっしり埋める。数日前、隣の席に座った日本人に尋ねてみたら「韓国に行ってはみたいけど、ビザをもらえる気がしない」と語った。

 新型コロナのパンデミック(世界的大流行)で韓日間の往来が途絶えたのは2020年3月のことだった。日本政府がコロナ対策として韓国を含む外国人の入国を禁じると、翌日に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は「相互主義」を掲げて日本人の韓国入国を禁じた。中国人は来てもいいのに日本人は駄目、という措置だった。日本人の韓国訪問は2019年の327万人から、昨年は1万5000人にまで急減した。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は、発足直後の今年5月、日本人に対し門戸を開いた。ただし、開いたといっても半分だけ。ビザ無しは認めず、観光ビザを取得してから来い、というものだった。やはり、前政権の掲げた相互主義の論理が理由だった。日本が韓国人にビザを要求しているのだから韓国も要求する、というものだ。

 観光業界のある専門家は「相互主義は絶対の命題ではない」と語った。韓国が日本人にビザ無しを認めたのは1993年だった。一時的な措置だったが、毎年延長された。これと同様の「一時的ビザ無し措置」を日本が韓国に対して取ったのは2005年のこと。両国間のビザ無し入国は2006年にようやく実現した。韓国外交部(省に相当)が相互主義を掲げる理由は「対日屈辱外交」といった非難を避けたいからでしかない。

 見境なく相互主義に固執するのなら、両国間ビザ無し入国の年内実現は難しいだろう。日本の外務省が韓国を含む主要国のビザ無しを決定する可能性は低いからだ。世界が「ウィズ・コロナ」に向かう傾向を示す一方で、島国日本の世論は「コロナ鎖国」が強くなりがちだ。日経新聞の世論調査(6月16・17日)によると、外国人の入国制限(1日2万人)の拡大を巡って「増やすべき」(49%)と「増やすべきでない」(44%)が拮抗(きっこう)していた。

 韓国外交部は、単に「日本のせい」にさえしていればいいので気楽だ。だが今や、観光の領域は政治ではなく文化で判断してもいいのではないだろうか。人口、国土面積、経済の面で依然として韓国は日本より小規模だが、『イカゲーム』やBTS、TWICEなどの活躍に見るように、大衆文化において韓国は日本や中国を超える大国だ。韓流を愛する日本人に「ビザ無しのプレゼント」を贈るくらいの太っ腹なところを見せてもよいのではないだろうか。

東京=成好哲(ソン・ホチョル)特派員

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  • ▲6月1日午後7時ごろ、東京港区の在日本韓国大使館領事部のビルの前で、観光ビザ申請を希望する市民およそ300人が徹夜で待つ準備をしている様子。/東京=崔銀京特派員

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