韓国与党「文大統領への最初の報告は越北ではなく墜落」=公務員射殺事件

「徐薫が核心的な役割」「信じるに足る情報提供がある」

 韓国与党・国民の力の「海洋水産部(省に相当、以下同じ)銃撃タスクフォース(TF、作業部会)で団長を務める河泰慶(ハ・テギョン)議員は28日「(公務員が行方不明になった直後)文在寅(ムン・ジェイン)前大統領が受けた最初の報告では『越北』ではなく『墜落』になっていたという信ぴょう性のある情報提供がある」と述べた。海洋水産部職員が銃殺される3時間前、文前大統領への書面報告には「墜落と推定される事故があり、北朝鮮側海域で韓国国民が発見された」という文言が記載されてあったという。

 昨年「文前大統領秘書室」が国民の力の太永浩(テ・ヨンホ)議員に提出した答弁書にも「西海漁業管理団職員失踪の事実および北朝鮮側の失踪者海上発見諜報(ちょうほう)に対する大統領書面報告が行われた」とのみ記載されていた。文在寅政府が最初は「越北」とは判断していなかったと解釈できる部分だ。

 河議員は「2020年9月22日夕刻の大統領への最初の報告では『越北』とは一切判断せず『墜落』と推定されていたが、23日の青瓦台(韓国大統領府)での会議を経て24日から政府の立場が越北に一変した」と指摘した。国民の力は「墜落」がわずか2日で「越北」となったプロセスに徐薫(ソ・フン)青瓦台(韓国大統領府)安保室長(当時)が中心的な役割を果たしたとして、米国に滞在中の徐氏の帰国を要求している。徐氏は9月25日に北朝鮮が送ったとされる「金正恩(キム・ジョンウン)謝罪」の通知文も直接読んでいた。

 河議員は「文前大統領は(海洋水産部職員が)北朝鮮海域で発見されたと確かに報告を受けた。つまり職員の位置が確認されたにもかかわらず、救助などの指示をしなかった」とも主張した。河議員はさらに「あの時点で国防部には活用可能な北朝鮮との連絡手段があったにもかかわらず、このときにそれを積極的に活用しなかった事実について責任を痛感するとの答弁も行われた」と説明した。

 文前大統領が「国民を発見」という報告を受けてから3時間後に海洋水産部職員は射殺され、遺体は焼却された。青瓦台は殺害直後の23日未明に安全保障関係の長官会議を開き、翌24日に国防部がブリーフィングで「越北と推定される」と説明した。

 この時から文在寅政府は「遺体焼却」についても説明を変えた。殺害直後に国防部は「遺体が焼却されたことを確認した」と発表したが、それから3日後に「焼却は推定」になった。これに関して国防部は先日「青瓦台国家安保室から(見方を変えよと指示する)『事件関連答弁指針』が送られたためだ」と明らかにした。この当時文大統領は終戦宣言を推進し、金正恩氏を韓国ASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議に招待しようとしていた。国民の力の関係者は「当時の文在寅政府としては北朝鮮の蛮行がありのままに伝えられた場合、北朝鮮への反発感情が高まり南北イベントの妨害になると懸念したのだろう」との見方を示した。

 野党・共に民主党はこの日「西海公務員死亡事件タスクフォース」を立ち上げた。共に民主党のTFは最初の会議直後「海洋警察と国防部は今月16日に『越北は立証できない』と発表したが、その過程に竜山大統領室が関与した」と逆攻勢をかけた。TF団長の金炳周(キム・ビョンジュ)議員は「海洋警察と国防部が共同記者会見を行うまでの過程で、大統領室国家安保室と関連する内容について協議を行った兆候がある」と主張し「(竜山大統領室の)介入があったと考える。この部分はもう少し細かく判断する予定だ」と説明した。

 一方で国民の力のTFはこの日統一部を訪問し、韓国政府の判断が「墜落」から「越北」に変わった背景について集中的に問いただした。統一部の金基雄(キム・ギウン)次官らと非公開で面会した直後、河議員は「北朝鮮が越北と信じていれば、イ・テジュンさんを殺害しなかったと統一部は分析している」と伝えた。

キム・ヒョンウォン記者、梁昇植(ヤン・スンシク)記者

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  • ▲写真=国民の力の河泰慶(ハ・テギョン)議員/NEWSIS

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