【7月12日付社説】安倍元首相死去で強まった日本の「平和憲法」改正に向けた動き

 日本の岸田文雄首相は政権与党の自民党が参議院選挙で圧勝した直後「憲法改正案を一日も早く発議し、国民投票につなげていきたい」と述べた。現行の日本国憲法は敗戦直後の1946年に戦勝国の米国マッカーサー司令部が作ったもので、これまで一度も改正されたことはない。今回の選挙で自民党をはじめとする憲法改正を目指す政党が3分の2以上の議席を安定して確保したことから、いつでも改憲案の発議が可能になった。ロシアによるウクライナ侵攻で日本国民の間でも憲法改正に賛成する世論が高まっている。

 今の日本の憲法は「平和憲法」と呼ばれる。戦争の放棄に加え戦力を保有せず、交戦権を認めない条項が明記されているからだ。かつて自民党は憲法改正によりこれらの条項を廃棄、あるいは修正しようとしたが、世論の激しい反発を受けた。そのため平和主義の条項を維持しながら自衛隊の存在と自衛権を憲法に追加しようとしている。迂回(うかい)により事実上の戦力と交戦権を憲法上の権利にしようとしているのだ。

 現行憲法でも日本はすでに軍事大国となった。同盟国の戦争に参加できる集団的自衛権も容認した。国防費支出もGDP(国内総生産)の2%に増やした。憲法の平和主義条項は実質的にかなり前から死文化している。しかし76年ぶりの憲法改正そのものが持つ意味は注目すべきだ。日本がその経済力にもかかわらず全面的な再武装に向かわないことには、米日同盟に加え、平和憲法に対する国民の支持が大きな役割を果たしてきた。一度修正されれば平和憲法の理念は崩壊するだろう。改憲論の中心にいた安倍晋三元首相の不幸もこの流れを強めているようだ。

 憲法を改正するかどうかは日本国民の選択だ。しかし日本は侵略の歴史に対し被害国の許しや信頼が得られていない。反省や謝罪の表明も十分でないのはもちろん、一部政治家による歴史関連の妄言や攻撃的な言動も続いている。過去の過ちから抜け出し、いわゆる「普通の国」の道に進むのであれば、より一層周辺国との関係改善を目指して努力すべきだ。今日本ではそのような動きが見られるだろうか。日本が隣国からの最低限の共感さえ得られない状態で平和憲法を崩壊させることに熱中すれば、その反作用も避けられない形で起こってくるしかないだろう。

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