脱北漁民の強制北送は誰の指示なのか…韓国検察、前政権関係者まで捜査を拡大

強制送還の過程で違法行為
「上のライン」究明に捜査を集中

 外交・安全保障分野における主要な決定は大統領固有の権限だ。そのため「今後は文前大統領が送還の決定に関与したかどうかが検察捜査の争点になる」との見方も浮上している。当時の金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一部長官は強制送還から2週間後(2019年11月21日)、米ロサンゼルスで開催された韓半島平和政策懇談会直後に記者団から「強制北送の決定は誰が下したのか」との質問を受けた際「当然外交・安保については(大統領が)報告を受けてやること」と答えた。文前大統領の指示があったと解釈できる発言だ。

 文前大統領は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長を釜山での韓国ASEAN(東南アジア諸国連合)特別首脳会議に招待する親書を北朝鮮に送ったが、その同じ日(11月5日)に亡命漁師らを北朝鮮に引き渡す意向も同時に伝えたという。検察はこの点にも注目している。2018年9月に平壌で行われた南北首脳会談の合意文には「金正恩答訪」という文言が明記され、その後文在寅政権はこの「金正恩答訪」に全力を傾けた。文前大統領は金正恩氏の釜山訪問が実現しなかった後も「金正恩委員長の答訪条件が一日も早く整うよう南北が共に努力しよう」(2020年1月の新年の辞)と呼びかけるなど、金正恩氏答訪に執着していた。

 検察は13日に国家情報院を家宅捜索した際、朴智元(パク・チウォン)前院長による「西海公務員殺害真相隠蔽(いんぺい)疑惑」に関する資料も確保したという。国家情報院のある関係者は「メインサーバーのある空間に検事や捜査官は入れない。そのため検事が令状を確認しながら必要な資料を要請すれば、国家情報院の職員らが一つずつ関連資料を引き渡す形で家宅捜索が行われた」と説明した。韓国海洋水産部職員のイ・デジュンさんが2020年9月に西海で北朝鮮の銃撃を受け死亡する直前、イさんが北朝鮮軍に「大韓民国の公務員だ。救助してほしい」という趣旨の訴えをしたとする通信が傍受されていた。朴前院長はこの傍受内容を報告書から削除するよう指示した容疑で検察に告発されている。

キム・ジョンファン記者、ユ・ジョンホン記者

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