ゲームで他人に侮辱を与える文化は、10-20代を中心に女性プレーヤーが増えるにつれ、言語による性暴力といった形でも表現されている。韓国コンテンツ振興院の調査によると、ゲームユーザーの4人に1人(26.6%)は、ゲーム上でセクハラや性差別を経験した。被害者の68.6%はメモやチャットで性的表現の混じった悪口や心理的攻撃を受け、27.9%は不快感を誘発する性的描写の入った写真や動画を受け取った。26.5%は音声チャットで悪口を言われたりセクハラに近いメッセージを受け取ったりした。女性政策研究院によると、女性プレーヤーには「マイク(音声チャット)をオンにしろ。かわいいかどうか確認する」「お前はフェミニストか」といったセクハラ、性器と関連した悪口が浴びせられている。
「オーバーウォッチ」をプレーするキムさん(26)は、友人とゲームする場合を除いては音声チャットをオフにしている。自分の声が相手に伝わらないようにするため、そして男性プレーヤーたちの「わあ、女だ」という皮肉を聞かないようにするためだ。音声チャットをするときは、声を男性の声に変えてくれるアプリを使用する。
男女間の対立は、ゲームコンテンツそのものを巡っても生じている。一方では、ゲーム制作会社の役職員の大多数が男性であり、男性プレーヤーの好みに合わせて女性キャラクターを露出の激しいデザインに仕上げているという指摘が絶えない。一方、一部の「フェミニスト」や「政治的な正しさ」を追求する制作者によって、ゲームの世界観やストーリー、キャラクター性が損なわれていると主張する声もある。「男性嫌悪」の傾向があると判断される人物を探し出し、ゲームの制作会社に圧力を掛け、制作から排除することも繰り返されている。
〈特別取材チーム〉金潤徳(キム・ユンドク)週末ニュース部長、キム・ヨンジュ社会政策部次長、卞熙媛(ピョン・ヒウォン)産業部次長、キム・ギョンピル政治部記者、ユ・ジョンホン社会部記者、ユ・ジェイン社会部記者、ユン・サンジン社会部記者