【コラム】「日本の民主主義が敗北した」

 山上容疑者には、就職できない苦痛と経済的問題、持病・障害で苦しんでいた兄の自死など、不幸が相次いだ。結婚もできず、人間関係はほとんどないも同然だった。このところ日本で使われている言葉でいえば「無敵の人」だった。失うものがないから怖いものもない人、という意味だ。怒りがどこに向かうか分からない。個人の不幸であると同時に社会問題でもある。山上容疑者のソーシャルメディア(会員制交流サイト)のアカウントには、社会に対して積極的に助けを求められなかった自分の境遇に対する悔恨が現れている。「犯罪は絶対に許されないが、山上容疑者に同情するのも仕方ない」というコメントが付く理由がここにある。

 山上容疑者は、選挙・言論・訴訟など制度を通した問題解決ではなく、遂には暴力を選んだ。宇野重規・東京大学教授は、これについて「民主主義に対する挑戦というより、民主主義の敗北」(朝日新聞)と指摘した。若者が就職氷河期の中で怒りを感じる事情は、韓国も変わらない。韓国の民主主義は敗北することがないのを望むばかりだ。

東京=崔銀京(チェ・ウンギョン)特派員

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