韓国の教師61.3%「児童・生徒による授業妨害、毎日経験している」

 先月、京畿道水原市内のある小学校で、6年生の男子児童が級友とケンカをし、これを止めようとした教師に対して凶器を振り回した。これを見た別の級友が児童を別の教室に連れて行って落ち着かせようとしたが、興奮が収まらない児童は素手で机をたたきつけて机の上のガラスを割った。

 韓国全国の幼稚園・小学校・中学校・高校教師の10人に6人は一日1回、教権侵害を経験しているというアンケート調査の結果が明らかになった。主観式の回答で、ある教師は「手足を縛られたまま戦場の最前線に立っている気分だ」と答えた。

 韓国教員団体総連合会は「7月12日から24日まで、全国の教師8655人を調査したところ、週に5回以上児童・生徒の暴言や授業妨害を経験する教師は61.3%に達した」と月月25日、発表した。一日に2回、このような問題行動を経験するという教師も36.3%だった。今年5月、全羅北道益山市内のある小学校では、以前の学校で問題を起こして強制転校となった5年生児童が担任教師と校長に暴言を吐いたこともあった。深刻な教権侵害事例が相次いでいることから、教師の児童・生徒生活指導権を制度的に保障しなければならないという声が高まっている。

 教師が最も多く経験している児童・生徒の問題行動は「騒いだり、騒音を出したりする行為」(26.8%)だった。以下、暴言などの攻撃的行動(22.8%)、教室・学校からの無断離脱(12.7%)が続き、身体や道具を使った暴行(6.4%)もあった。

 2019年に教員地位法が改正され、児童・生徒が教師を殴るなど、教権を深刻に侵害した場合は強制転校させるほか、高校生の場合は退学処分も下せるようになった。しかし、実際にこうした状況が発生した時にすぐに止める方法がないという点が依然として問題だと指摘されている。アンケート調査で教師たちは、児童・生徒が問題行動を起こした時に最も大きな難しさについて、「適切な制裁方法がない」(34.1%)ことを挙げた。「心身に傷を負ったにもかかわらず、授業を続けなければならない状況」(22.5%)や「児童・生徒を制止した時の親からの苦情(19.7%)」も教師たちが経験した難しさだと指摘された。

キム・ウンギョン記者

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