【8月2日付社説】韓国国会第3党まで全て非常対策委員会体制、こんな国はほかにあるか

 韓国政界では与党国民の力が1日、議員総会を開き、党を非常対策委員会体制に移行することで一致した。所属議員89人が参加して開かれた議員総会で反対意見は1人だけで、ほぼ全員が現在党は「緊急状況」にあるという点に同意したという。党員権利の喪失を懸念する李俊錫(イ・ジュンソク)代表側の反発と党全国委員会での議決手続きが残ってはいるが、実際に非常対策委体制に移行する可能性がさらに高まった。

 国民の力が非常対策委体制に移行すれば、韓国は国会の第3党までが全て非常対策委体制となる。民主党は3月の大統領選挙敗北後、尹昊重(ユン・ホジュン)、朴志ヒョン(パク・チヒョン)の両氏が率いる非常対策委に続き、6月の統一地方選後、禹相虎(ウ・サンホ)氏が率いる非常対策委が設置された。正義党も統一地方選後、余永国(ヨ・ヨングク)元代表が退き、李恩周(イ・ウンジュ)氏率いる非常対策委体制に移行した。

 国民の力は2020年9月の発足以来、李俊錫代表が在任した1年余りを除けば、全て非常対策委または権限代行による体制だった。自由韓国党時代から5年6カ月を見ても、洪準杓(ホン・ジュンピョ)、黄教安(ファン・ギョアン)、李俊錫代表がそれぞれ1年余り、代表職を正常に務めただけで、残る2年半ほどは非常対策委や権限代行という非正常体制だった。

 非常対策委は、文字通り党指導部が正常に稼働できない非常に特別な状況で機能する臨時機関だ。米国、英国、日本など民主主義が正常に機能する国では、非常対策委体制の発足という話を聞いたことがない。法律や制度上の違いもあるが、党員と支持者が選んだ指導部が一定期間責任を持ち、党を率いる風土が定着しているためだ。

 韓国の政党は、選挙で負けたり、いくつかの悪材料が発生したりしただけで、非常対策委体制に移行するのが習慣化してしまった。党の構成員、政策など本質はそのままなのに、何かが変わったかように国民に見せたい場合、刷新を掲げて外部の人物を迎え入れ、非常対策委を発足させる。政党が抱える問題を正面から解決しようとせず、化粧で覆い隠そうとするごまかしの手段だ。そのたびに知名度がある人物を掲げ、その場しのぎで乗り切っても、実際には何も変わらない。そのため、しばらくするとまたもや非常対策委体制になる。

 「非常」が日常になった韓国政治でも、国民の力の「非常」は珍しい。野党は選挙に負けたから「非常」だが、国民の力は選挙で連続勝利しても「非常」だと言う。自ら波風を起こし、自分の首を締めた結果だ。政権発足から3カ月も経たないうちに人々は尹錫悦(ユン・ソンニョル)の政権幹部や李俊錫氏がテレビに出るのを見たくないという。こんな事態にした最大の責任は、謙遜と慎重さのない尹錫悦大統領にある。政権与党の理解不能のオウンゴールと波風に国民は疲れた。今、韓国は経済と安全保障で複合的な危機に直面している。その上、政府が仕事をやりにくい深刻な「与小野大」の状況だ。 政権与党が目を覚ますことを願うばかりだ。

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  • ▲写真=1日午後、議員総会で黙祷する国民の力・権性東(クォン・ソンドン)院内代表(写真=共同取材班)。/NEWSIS

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