【コラム】中国が公開した「パチモンF35」

KF21が初の試験飛行に成功した直後、開発中のステルス戦闘機「J35」の写真、動画をひそかにソーシャルメディアで公開
海外専門誌「F35のデザインを丸ごとまねたが、エンジンなど中心的な技術を確保しているかどうかは未知数」

 7月19日、韓国産の超音速戦闘機KF21が歴史的な初試験飛行に成功し、韓国内外の注目を受けましたね。長期的にはF35戦闘機を代替していく候補、と評価する外信もありました。

 これに刺激を受けたんでしょうか? 3日後の7月22日、中国のソーシャルメディア(会員制交流サイト)「微博(ウェイボー)」とTikTokに、開発中の第5世代ステルス戦闘機「殲35(J35)」の写真と動画が突如アップロードされました。

 中国は、こういうやり方で開発中の兵器を公開します。韓国のように透明性ある形で公開するのではなく、軍事マニアが撮ったものであるかのようにこっそりとソーシャルメディアに載せます。それでも、今回は角度をきちんと付けて高解像度で撮りました。海外メディアに「われわれの方が韓国よりも良い戦闘機を開発しているのだから、もうちょっと記事を書いてほしい」と言っていると思っていただければよいです。

■ファクシミリで複写したかのようなまね

 「ネイバルニュース」など西側の軍事専門メディアの反応は、一言でまとめると「偽物F35」というものでした。まるでファクシミリで複写したかのように米国のステルス戦闘機F35のデザインをまねた、というわけです。

 J35の前方には赤外線探知・追跡装置(IRST)のセンサーが突き出ています。F35の電子光学ターゲティング・システム(EOTS)と同様の機能を果たす装置だといいます。その後方に、やや傾いた形のレーダードームがあり、アクティブ・フェーズドアレイ(AESA)レーダーのアンテナとみられるといいます。

 操縦席の構造や開閉方式もF35とほとんど同じです。パイロット用の表示装置は、F35がかつて用いていた前方表示装置(ヘッドアップディスプレイ/HUD)を搭載したといいます。そのF35は、既にヘルメット搭載映像装置(ヘルメットマウントディスプレイシステム/HMDS)に移行しました。エンジンの排気口もF35と同様の「のこぎり」型で、これはステルス機能のための設計だといいます。

 垂直尾翼の上端部には、J15艦載機で見られる「空飛ぶサメ(飛鯊)」のロゴの横に、「35」という数字が記され、その下に「350003」というシリアルナンバーがあります。J35の試作3号機という意味ですね。

【写真】香港のネットユーザーが比較したJ35とF35

■3隻目の空母の艦載機として開発

 前後の降着装置(ランディングギア)はいずれも補強構造になっており、少し前に進水した3隻目の空母「福建」の電磁カタパルトを利用して発着艦する艦載機になるだろうと分析されています。空母の狭い甲板上に多数の戦闘機を搭載できるように、翼の折り畳み機構も採用しました。

 米国の軍事メディア「1945」は「中国がハッキングによってF35とデザインがほとんど同じコピー版を作りはしたが、レーダーの性能やステルス機能、戦闘能力など中心的な技術まで確保したかどうかは疑問」と報じました。単純なデザインだけをまねた「質の悪い模造品(bad copy)」である可能性が高いというわけです。

 中国の戦闘機が抱える最大の問題はエンジンです。ロシア製のジェットエンジンをまねた代物を開発はしたものの、第5世代戦闘機の高難度な機動を実現できるほどに出力は優れていない、といいます。F22をまねて作った初のステルス機J20も、まだこの問題を完全には解決できていません。

 J35には、ロシアのMiG29戦闘機に積んであるRD93エンジンを複製して改良したWS21エンジンが載るといいますが、このエンジンの性能がどの程度なのについては公開資料がないといいます。今年11月の珠海エアショーに、WS21エンジンを搭載したJ35が登場するといいますから、その後に分析が出るでしょう。

■韓国のKF21をけなす理由

 中国国内では、韓国のKF21と自国のステルス機J35、J20などを比較して「ステルス性能で中国の戦闘機の相手にはならない」というような報道が出ています。

 KF21は、もともとステルス性能が制限された4.5世代戦闘機で、海外輸出などを念頭に置いて経済性を主として開発した機種です。ステルス機能が完璧であればよいのですけれど、その分価格が上がることになります。韓国空軍は、中国のH35に対応するステルス戦闘機F35を既に保有しています。

 比較対象ではない戦闘機を比較してでたらめな詭弁(きべん)を並べ立てるのを見ると、内心ではKF21の開発がかなり気になっているようです。

崔有植(チェ・ユシク)東北アジア研究所長

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