中国、軍事訓練を開始18分前に通知…韓国航空会社・乗客に打つ手なし

先月、欧州-韓国間の航空便が多数延着…台湾での演習は二日前に通知

航空業界「突然の通知に対応するのは困難」

 中国の「台湾包囲演習」で韓国の航空便運航に支障が出る中、7月にも中国の軍事訓練で仁川-欧州間の航空便が19時間も遅れ、乗客が被害に遭っていたことが明らかになった。中国は軍事訓練の日程が始まる18分前に韓国側へ通知するケースもあり、韓国の航空各社は足早な対応ができずにいる。

 大韓航空は8月5日と6日、仁川―台北間を往復する航空便を欠航させた。中国が7日まで台湾周辺の6つの地域で実弾射撃を含む軍事演習を展開していることから、安全上の問題により運航をキャンセルした。航空業界が5日に明らかにした。また、アシアナ航空の仁川―台湾便も同じ理由で欠航状態となっている。該当の航空便を予約していた乗客は、演習最終日の7日にフライトの日程をずらすか、予約をキャンセルしなければならなかった。

 7月にも、中国の軍事訓練で航空便の運航に支障が出た。中国軍が内陸部で行った軍事訓練に「蘭州航空路」が含まれていたのだ。蘭州航空路は、現在ウクライナ問題でロシアを通過する航空路がふさがれていることから、韓国と欧州を結ぶ唯一の最短距離路線だ。当時、ドイツのフランクフルト空港を出発して仁川に戻る予定だったアシアナ航空の旅客機は、出発が17時間遅れた。フランスから韓国へ戻ろうとしていた大韓航空の航空便にも、19時間の遅れが生じた。

 中国は、軍事訓練の日程を予告なしで航空各社に通知することが多い。通常、航空機が行き来する主な航空路で軍事訓練がある場合、当該国の管制当局は航空各社にノータム(NOTAM/NoticeTo Airmen)という航空告示報を伝える。緊急の場合を除いて、通常は少なくとも1週間前に知らせる。航空各社が運航スケジュールを調整し、乗客に案内する最小限の時間を確保するためだ。

 ところが中国は、軍事訓練の日程が始まる直前にノータムを出している。7月17日に蘭州航空路付近で行われた軍事訓練の場合、訓練開始18分前に韓国側へ通知した。今回の台湾包囲演習でも、中国が韓国側にノータムを送ったのは演習二日前の8月2日午後3時だった。

 国土交通部(省に相当)航空情報統合管理システムによると、中国政府は最近3カ月間、蘭州航空路に計19回も飛行禁止区域を設定したが、1週間前に知らせてきたケースは1件にすぎなかった。大部分は前日もしくは二日前の通知だった。航空業界の関係者は「中国のように、運航に極めて大きな影響をもたらしかねないノータムを一日、二日前に出す国はほとんどない」と語った。

 韓国政府は7月21日、蘭州航空路を巡る事態を問題とし、国際基準に合わせて少なくとも1週間前にノータムを送るべきだと中国側に要請した。これに対し中国側は「遺憾に思う」とし、「今後、問題が発生しないようにきちんと措置したい」という回答を送ってきたという。ただし、緊急の状況の場合には1週間前にノータムを出さなくてもいいという但し書き条項があり、中国がこれを口実にまた軍事訓練を行う可能性は排除できない。

 被害はまるごと乗客がかぶることになる。軍事訓練の影響で航空便が遅延・欠航したら、航空会社の過失ではないので補償を受けることはできない。航空各社は、手数料なしで航空券の払い戻しをサービスするのが最善、という立場だ。

 今後、問題がさらに悪化する懸念も出ている。米中対立で中国が軍事訓練をさらに拡大しかねないからだ。台湾付近の海域で大々的な演習を再び展開する可能性もある。航空業界の関係者は「韓国から欧州や東南アジアに行くためには、中国を経由するほかない」とし、「最近になって、中国が突然軍事訓練を行うことが増え、また航空便のスケジュールに支障が出るのかと懸念している」と語った。

キム・ウヨン記者

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  • ▲中国が今年5月以降にノータム(NOTAM)を通して蘭州地域に設定した危険エリアが表示されている様子。/航空情報統合管理ホームページのキャプチャー

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