韓国の外貨準備高減少、心配不要な3つの理由(下)

韓国の外貨準備高減少、心配不要な3つの理由(下)

■大規模な資金流出の可能性は低い

 しかし、IMFの適正範囲にわずかに及ばない(昨年時点でマイナス0.01%)からといって、それほど心配する必要はないという反論も少なくない。外貨準備高世界トップの中国でさえ、IMFが提示する適正範囲に30%以上達していないためだ。コロナ大流行以降、主要国の外貨準備高が一斉に急減したことを考慮すれば、韓国はむしろ事情が良好な方だとの指摘もある。韓国はコロナ前の19年の平均値と比べ、5.6%の減少にとどまったが、英国、日本、スイス、フランスは同じ期間にそれぞれ16.9%、9.1%、7.2%、6.3%の減少を示した。ニュージーランド(55.3%減)、オーストラリア(30.5%減)、シンガポール(20.3%減)は減少幅がはるかに大きい。

【グラフ】大幅に減少した韓国の外貨準備高

 過去に比べ、対外負債構造が長期債務中心になったことも、外貨準備高の減少に過度に敏感になる必要はないという主張を裏付ける。韓国銀行によると、韓国の対外債務のうち長期債務と短期債務の割合は6月時点でそれぞれ73.3%、26.7%だ。1997年、2008年には短期債務の割合が半分に達していた。KB証券のアナリスト、キム・ヒョジン氏は「債務規模が小さくても、短期債務が中心ならば、対外金融環境が不安となった場合、償還や新規借り入れが困難になりかねないが、韓国は長期債務の割合がかなり高く安定している方だ」と指摘した。  

 外国為替市場の緩衝材の役割を果たす「純対外金融資産」が個人投資ブームで最近数年間に急速に増えた点も見逃せない。純対外金融資産は経済主体が持つさまざまな海外金融資産から負債を差し引いた額を指す。純対外金融資産がプラスであれば、韓国の株式、債券、不動産などへの海外からの投資に比べ、韓国から海外に投資した資産が多いことを示す。2015年第1四半期に784億ドルだった純対外金融資産は、今年第1四半期に6960億ドルとなり、7年間で9倍近く増えた。通貨危機と金融危機の当時は、純対外金融資産(年平均)がそれぞれマイナス729億ドル、マイナス1177億ドルだった。

 純対外金融資産は危機時の急激なウォン安を防ぐ防波堤の役割を果たす。ウォン安局面では、海外の株式や不動産、債券に投資されていたドル資金が国内に流入し、自然に為替相場を安定させるためだ。 逆に純対外金融資産がマイナスであれば、国内に流入する資金より海外に流出する資金が多く、ウォン安が加速する。

 専門家はウォン急落局面で外貨準備高が急速に減少することは確かに警戒しなければならない現象だが、さまざまな状況を総合的に考慮し、対応すべきだと助言する。外貨準備高を増やす主な手段には、通貨安定債券や外国為替平衡基金債券の発行があるが、必要以上に債券を発行すれば、利子などかなりの費用を浪費することになるからだ。その過程で逆にウォン安をあおる可能性もある。現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は「外貨準備高は経済主体の心理に影響を与えるため、配慮が必要だが、現在は大規模な資金流出が起きる可能性はほとんどないので、それほど懸念する必要はないのではないか」と語った。

金智燮(キム・ジソプ)記者

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