裁判を遅らせる韓国の判事たち、審理開始までに150日

 韓国の裁判所で2年以内に一審判決が出ない「長期未済」事件が最近5年間の民事訴訟で約3倍、刑事訴訟では約2倍にそれぞれ増加したことが7月27日までに明らかになった。民事訴訟では一審の裁判を5カ月以内に終えることが法律に規定されているが、裁判所は期限を過ぎても審理を渋っている。全国最大の裁判所であるソウル中央地裁で5年以上判決が下されていない「超長期未済」事件は5倍近くに急増した。過去に例がない「裁判遅延」は金命洙(キム・ミョンス)大法院長就任後の5年間でますます目立っている。


【グラフ】韓国の裁判所における民事・刑事裁判(合議審)の一審平均処理期間

 裁判当事者と弁護人は「判事の顔を見るまでにあまりにも長く待たされる」と話す。昨年、民事事件の訴状を提出し、最初の裁判期日が決まり、合議審(3人以上の判事による審理)の法廷に立つまでに平均で150日を要した。2016年には120日だったが、5年間で30日も延びた。裁判の開始が遅れると、判決も長引く。16年には全国の裁判所で民事訴訟(合議審)の一審裁判は終了までに平均322日かかっていたが、今年上半期には386日に延びた。二審の処理期間も239日から323日に延びた。刑事訴訟(合議審)の一審と二審の処理期間もそれぞれ53日、58日ずつ増えた。個人で提訴する国民は「裁判所に書類を出すたびに補完しろとだけ言われ、具体的には教えてくれず、裁判が遅れる」と話した。弁護士業界からは「無念な出来事に遭遇した国民が最後に訴える場所が裁判所なのにもかかわらず、判事が合理的な理由もなしに裁判を先送りすれば、国民の苦痛だけが増す」との声が漏れる。

 裁判遅延は、金命洙大法院長の就任後、高裁部長判事昇進制度の廃止、裁判所長候補推薦制の導入などで、判事が熱心に勤務しなければならない理由が減少したことが原因に挙げられる。「全国の陪席判事が『1週間に判決文を3件だけを書く』という暗黙の合意に達した」という話まで裁判所から聞かれる。裁判所周辺からは「裁判は国民のための司法サービスだが、裁判遅延がさらに深刻化すれば、国民の不満が増しかねない」「裁判所は迅速な裁判のための実質的対策を立てるべきだ」といった指摘が出ている。

ヤン・ウンギョン記者、ユ・ジョンホン記者

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  • 【写真】金命洙大法院長が7月21日午後、大法院全員協議体(大法廷)での判決言い渡しを控え、着席している。/聯合ニュース

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