米国の半導体産業支援法に頭を抱えるサムスンとSK「中国事業が地雷原に」

「中国工場への投資禁止」を定めたガードレール条項で非常事態
70兆ドルに達する米国の補助金を受ければ中国での先端設備導入が不可能
台湾TSMCや米インテルなども打撃…細かい内容をめぐり交渉が始まる見通し
「韓国政府は積極的に対話を」

 今月9日に米国で半導体産業支援法が成立したことを受け、サムスン電子やSKハイニックスなど世界の主要な半導体メーカー各社が非常事態となった。これらの企業が税制面などで米国政府の支援を受けるには、この法案の「ガードレール(安全装置)条項」により中国国内での半導体投資ができなくなるからだ。半導体業界のある関係者は「法案の恩恵を受ける韓国のサムスン電子やSKハイニックス、台湾のTSMCやUMCなどは中国での事業が大きな打撃を受けるだろう」「米国政府の補助金は530億ドル(約7兆円)規模に達するため、企業側はこの補助金を拒むわけにもいかない。まさに進退両難の状態に置かれた」コメントした。

 米国の半導体産業支援法は「中国の半導体産業けん制」を三大目標の一つとしている。支援対象となる企業は今後10年間、システム半導体のファウンドリー(委託生産)分野で28ナノ未満の先端技術関連の投資が中国ではできなくなる。また韓国メーカーの主力製品であるメモリー半導体やパッケージング(後工程)関連の中国への投資規制も今後米商務省が新たな基準を定めるとしている。この基準は最低2年ごとに更新されるという。

 ブルームバーグ通信は「インテルや米国半導体工業会(SIA)は28ナノという基準を撤廃するためロビー活動を行ったが、最終的にこの条項は法案に含まれた」と報じた。米国はこれまで7ナノ未満の超微細工程のみ中国に制裁を加えてきたが、今回の法案は中国の半導体産業そのものの発展を全面的に押さえ込むねらいがあるようだ。

 日本のNikkei Asiaは2日「半導体産業支援法の成立により、中国向け投資の拡大を計画していた世界的半導体メーカー各社は手足を縛られ、中国事業は『地雷原』になった」と報じた。

■「地雷原」となった中国での半導体事業

 まず足下に火がついたのはファウンドリーを主力とする台湾メーカーだ。TSMCは南京に、UMCはアモイに28ナノ未満の先端ファウンドリー工場をすでに保有しているからだ。TSMCの南京工場は16ナノ工程と20ナノ工程が主力で、昨年から29億ドル(約3900億円)を投じて製造ラインを拡大している。UMCは今年5月にアモイ工場の生産量を年内に16%増やす方針をすでに発表した。

 メモリー半導体で世界1位のサムスン電子と2位のSKハイニックスも同様で、今後は中国工場における先端設備の導入や拡大は米商務省の規定により難しくなる可能性が出てきた。韓国のある半導体メーカーの関係者は「中国国内の半導体工場を先端設備に更新できない場合、低仕様製品しか製造できず最終的に閉鎖に至るのは間違いない」と懸念を示した。半導体の最終加工を行う米国の後工程(テストやパッケージング)企業も技術の導入に制限を受ける可能性がある。米国のインテルは青島に、マイクロンは西安に後工程工場をすでに保有している。


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  • ▲中国江蘇省無錫市のSKハイニックスDRAM工場で防塵服を着用し手を合わせる作業員たち。/SKハイニックス

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