米国の半導体産業支援法に頭を抱えるサムスンとSK「中国事業が地雷原に」

「中国工場への投資禁止」を定めたガードレール条項で非常事態
70兆ドルに達する米国の補助金を受ければ中国での先端設備導入が不可能
台湾TSMCや米インテルなども打撃…細かい内容をめぐり交渉が始まる見通し
「韓国政府は積極的に対話を」

 しかし中国にはアップルやHP、デルなど米国の完成品メーカー各社の工場が密集しているため、「中国への半導体投資の全面禁止は現実的に難しい」との見方もある。サムスンは西安に海外で唯一のメモリー半導体工場を保有しているが、この工場は世界のNANDフラッシュメモリーの15%(サムスンの生産量全体の40%)を生産しており、SKハイニックス無錫工場のDRAM生産量も全世界の15%(SKハイニックス全体のほぼ半分)を占めている。もしサムスン電子やSKハイニックスが米国の対中制裁により工場を中国から撤収あるいは低仕様半導体しか製造しないようになれば、主な顧客であるアップルなどグローバルIT企業も生産に深刻な問題が生じることになる。

■法案の内容をめぐって各国による交渉も

 最終的に韓国と台湾は自国企業の利益を死守するため半導体支援法の細かい内容について熾烈な交渉に乗り出すと予想されている。半導体に詳しい専門家は「近く発足を控えたチップ4(韓国、米国、日本、台湾による半導体協議体)でも激しい議論が行われるだろう」と予想している。米国の代表的保守系シンクタンクのヘリテージ財団は2日に出した報告書で「半導体支援法は抜け穴が多い」とした上で「対中投資規制に違反したかどうかを判断する際、米商務省や国家情報局、国防総省などが企業側と共に違反内容を検討すると定めているため、交渉の余地は残されている」と指摘した。韓国の対外経済政策研究院(KIEP)経済安保チームの延元鎬(ヨン・ウォンホ)氏(博士)は「法案の第一次細部規定(2年後に発効)が韓国に有利に働くよう政府が積極的に交渉に乗り出すべきだ」と指摘する。

 一方で半導体支援法の恩恵を受ける企業に対して中国が不利益を与える可能性は低いとみられる。中国は半導体生産や素材、設備の海外依存度が高いため、報復や制裁はやりにくい状況にあるからだ。

イ・ボルチャン記者

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  • ▲中国江蘇省無錫市のSKハイニックスDRAM工場で防塵服を着用し手を合わせる作業員たち。/SKハイニックス

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