北による射殺事件で記録削除の背景解明へ 文政権高官の自宅捜索=韓国検察

【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル中央地検は16日、北朝鮮軍が黄海で韓国公務員男性を射殺した2020年の事件の記録を削除、捏造(ねつぞう)した疑いで文在寅(ムン・ジェイン)前政権の高官の自宅などを家宅捜索した。機関ではなく個人に対する大々的な強制捜査が行われたことから、検察の捜査が同事件の記録削除の背景解明に向けた「第2ラウンド」に入ったとの見方が出ている。

 検察によると、同地検は朴智元(パク・ジウォン)前国家情報院長と徐薫(ソ・フン)前国家安保室長、徐旭(ソ・ウク)前国防部長官の自宅に検事らを派遣し、携帯電話や手帳などを押収した。国防部傘下の部隊、海洋警察庁などの事件関係者の事務所も家宅捜索の対象となった。

 朴氏は、漁業指導船乗船中に行方不明になった海洋水産部所属の男性公務員が北朝鮮軍に殺害された当時の諜報(ちょうほう)関連報告書などを無断で削除した疑い(国家情報院法上の職権乱用、公用電子記録などの損傷)が持たれている。国家情報院の独自調査の結果によると、同院の職員が諜報などに基づき男性が自ら北朝鮮に渡ったのではなく漂流した可能性が高いとする内部報告書を作成したが、朴氏がこれを削除するよう指示したという。

 また、徐薫氏は事件当時に国防部などに男性が「自ら越北」したと記録を捏造するよう指針を出した疑い、徐旭氏は傍受した情報などの軍事機密の削除を指示した疑いが持たれている。

 検察のこの日の家宅捜索は、事件の捜査が新たな段階に入ったことを告げるシグナルと受け止められる。

 検察は先月13日に国家情報院を家宅捜索した。同院から資料提出を受け、同院のサーバーに残っていた報告書や情報の作成・削除記録、職員同士がオンラインで交わしたやりとりの内容などを入手した。

 国防部や海洋警察庁にも家宅捜索が入るとの見方が多かったが、検察はこれら機関に対する強制捜査を経ずに事件関係者に対する家宅捜索に踏み切り、捜査を加速させた。

 検察は今後の捜査で、事件の記録の削除が指示された背景の解明に焦点を当てるとみられる。遺族側は、当時の文政権が事件の幕引きを図るため男性が自ら北朝鮮に渡ったことにしたと訴えている。

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  • 検察の家宅捜索を受けた後、自宅を出る朴智元氏=16日、ソウル

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