優遇採用疑惑の文大統領長男、名誉毀損訴訟で敗訴…ソウル南部地裁「虚偽と見なせず」

 文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の息子文ジュンヨン(ムン・ジュンヨン)氏が国民の力の河泰慶(ハ・テギョン)国会議員、沈在哲(シム・ジェチョル)元国会議員らを名誉毀損、人格権侵害で提訴し、2人にそれぞれ8000万ウォン(約821万円)の損害賠償を求めた訴訟で、ソウル南部地裁は18日、原告の訴えを棄却した。

 原告のジュンヨン氏は2017年の大統領選当時、同氏が「韓国雇用情報院に優遇採用された」との疑惑を指摘した河議員、沈元議員を相手取り、18年に損害賠償請求訴訟を起こした。河議員と沈元議員が当時発表したマスコミ向けの報道資料が虚偽事実で名誉毀損に当たると主張したものだった。しかし、今回の判決で請求は全て棄却され、ジュンヨン氏は訴訟費用まで負担することになった。

 今回の訴訟でジュンヨン氏が虚偽事実だと主張した河議員の報道資料は、河議員が17年に入手し発表したジュンヨン氏の採用最終監査報告書だ。河議員は当時、問題の報告書に「人事規定違反で優遇採用がなされたことについて、担当者の懲戒と警告措置を求める」との内容が含まれていた点を挙げ、ジュンヨン氏の優遇採用を立証する資料だと主張した。

 ソウル南部地裁は「被告が問題の資料があたかも原告の不正採用に関する新たな証拠であるかのように表現した部分はある」としながらも、「多少誇張された表現があるとしても、摘示された事実の内容全体の趣旨を検討すると、重要な部分が客観的事実と合致しており、虚偽事実とは見なし難い」と判断した。ジョンヨン氏が米ニューヨークのパーソンズ・デザイン・スクールへの入学を延期しないまま、特別扱いの「休職」を申請したとする河議員の報道資料についても、「原告がパーソンズ・デザイン・スクールから入学を延期できるという趣旨の電子メールを受け取った事実は認められるが、その後入学延期を確定したのか不明な点からみて、摘示事実が虚偽とは言いにくい」と指摘した。

 ソウル南部地裁はまた、シム元議員が17年に発表した報道資料についても、虚偽事実には当たらないとした。ジュンヨン氏が問題を指摘した部分は、シム元議員が「採用選考当時、ジュンヨン氏は願書の締め切り日が過ぎた後に卒業予定証明書の発行を受け、14カ月の勤務後後に休職期間を含む37カ月分の退職金を受領した」という内容だ。裁判所は「報道資料が摘示している事実は客観的事実関係と変わらず、原告の卒業予定証明書が事後に提出された経緯などに疑惑を提起することは、被告の論評ないし意見表明とみられる」とした。同時に「報道資料で摘示した事実が虚偽だとしても、報道資料を通じた疑惑提起が顕著に相当性を失ったとは言えない点などからみて、違法性が阻却されるとみるのが妥当だ」と判示した。

 ただ、ソウル南部地裁はジュンヨン氏が当時自由韓国党の広報だった鄭濬吉(チョン・ジュンギル)弁護士を相手に起こした訴訟では「人格権が侵害されたという原告の主張には一部受け入れるに値する点がある」として、被告の鄭弁護士に700万ウォンの支払いを命じた。 また、イ・ジュンソ元国民の党最高委員ら録音記録情報提供ねつ造事件の関係者に対しては、「摘示された虚偽事実は全て原告の社会的評価を直接的に低下させる内容に当たる」とし、慰謝料1000万-5000万ウォンを共同で支払うよう命じた。

キム・フィウォン記者

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  • ▲文在寅大統領の長男文ジュンヨン氏/聯合ニュース

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