【萬物相】貸出冊数が半減したソウル大学図書館

【萬物相】貸出冊数が半減したソウル大学図書館

 大学図書館の貸し出しリストを見ると、学生たちの読書実態を垣間見ることができる。小説家ハン・ガンの作品集『菜食主義者』が2018年と19年に相次いでソウル大学図書館での貸し出し1位に輝いた際、「学生たちは本をあまり読まない」と思った。本は2007年に発刊されたが、16年にマン・ブッカー賞を受賞し、一足遅れでベストセラーとなった。毎日、生計を立てるのに忙しい一般人が本にまで関心を寄せるのは容易でない。しかし、良い本を誰よりも先に探し出して読まなければならない大学生でさえ、この本に注目しなかったという証拠ではないか。

 時たま発表される各大学の図書館貸し出し統計は、実に恥ずかしい水準だ。これはソウル大学も変わらない。数日前に発表されたソウル大学図書館の統計を見ると、学部生1人当たりの平均貸出冊数は2018年の9.15冊、19年の8.37冊など、1年に10冊にも満たなかった。それさえも2020年からは4冊と半数にまで落ち込んだ。年間貸出冊数が90-100冊を超えるハーバードやオックスフォードに比べると、顔を上げられないほどだ。借りた本の1位も医学部教材の『眼科学』だった。

 米国公立高校の読書リストは推奨図書とは言わず、「必読書」という。授業前に読んでこなければ討論に参加できず、課題作成も不可能だ。これは大学も変わらない。「グレート・ブックス」という教育課程を運用しているセント・ジョーンズ大学は、4年間で100冊を超える古典を読んでこそ、卒業証書が与えられる。

 似たようなケースが私たちにもあった。約10年前、ソウル大学にギリシャ古典を読む教養講座が開設された。学期中に古典15編を読んで作品ごとにエッセーを提出するというスパルタ的な授業で、「避けたい授業」の候補だった。ところが「教養が身に付き、作文力もアップする」と評判で、30人程度で始められた講座にはいつしか200人近くが集まるようになった。2014年にはソウル大学図書館貸し出しベスト10のうち4冊がこの講座の読書リストとなった。

 大学図書館の貸し出し順位や回数が学生たちの実際の読書量を正確に反映していない、とする反論もある。ソウル大学古典講座だけでも、今はほとんどの学生が文書ファイルの形で本をパソコンに落として読んでいる。大学在学生1人当たりの紙書籍の貸出冊数が2011年の8.3冊から昨年の2.3冊へと急落する間、電子文書の利用件数は同期間130件から277件へと増えたという統計もある。コロナ以降、リモート授業の登場で学校に行くことが減り、新入生たちには図書館の出入りも貸し出しも見慣れない風景となってしまったことだろう。いくらなんでも、大学生の40%が本を1冊も借りずに大学を卒業するという現実は変えられるべきだ。入社試験の自己紹介文と共に「私が読んだ書籍」リストでも提出させるのはどうだろうか。

金泰勲(キム・テフン)論説委員

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