昨年ソウル大生が借りた本はたった4冊、貸し出し1位は専門書

2020年以降、貸出冊数が半数に…小説・人文教養は「読まれない」

 学部生1人当たりの紙書籍の年間貸出冊数も大幅に減った。2018年と19年の1人当たりの貸出冊数は、それぞれ9.15冊、8.37冊だったが、20年には4.9冊、昨年は4.39冊と半数ほどに減った。今年上半期も1人当たりの貸出冊数は2.48冊にとどまった。

 このように、ソウル大学の学部生たちの本の貸し出しが減った理由は複合的だ、というのが専門家たちの分析だ。 まず、ソーシャルディスタンスなどによって学生たちの図書館利用が減ったのが1次的原因と言える。ソウル大学図書館の関係者は「コロナが本格化し始めた2020年の図書館訪問者数は19年に比べて54%減ったが、いまだにこれを回復できずにいる」と話した。

 紙の書籍よりも電子書籍を好む「ペーパーレス」的な雰囲気が拡大したため、との分析もある。ソウル大学図書館の関係者は「54万種に上る電子書籍が紙の書籍をかなりの部分で代替しているが、電子書籍の貸し出しは統計に含まれない」という。出版文化を研究する「本と社会研究所」のペク・ウォングン代表は「読書関連アプリやオンライン書店などに慣れ親しんでいる青年層が実際の書籍に代わり、ノートパソコンやタブレットPCなどで電子書籍を読むペーパーレス読書に転じている」と話す。ソウル大学図書館長を務めたソウル大学社会学科のソ・イジョン教授は「学生たちがユーチューブや他の映像プラットフォームを通じてさまざまな情報に接することに慣れてきたため、紙の書籍に対する需要が減った」と説明した。

 最近、全般的に読書量が減っている社会的雰囲気とも関連がある。文化体育観光部(日本の省庁に相当)の調査によると、成人の紙書籍の年平均読書量は2017年の8.3冊から19年には6.1冊へと減り、昨年は2.7冊へとさらに落ち込んだ。成均館大学社会学科のク・ジョンウ教授は「最近、関心分野と好みが多様化し、本よりもっと簡単で、関心のある情報をスピーディーに獲得でき、面白味を感じられる映像に移行している」と話した。

カン・ウリャン記者

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