韓国大法院「金淇春氏、セウォル号の報告書偽造せず」、有罪破棄し審理差し戻し

 韓国大法院(最高裁判所に相当)は19日、金淇春(キム・ギチュン)元青瓦台(韓国大統領府)大統領秘書室長に対する一審・二審の有罪判決を破棄し、審理をソウル高裁に差し戻した。金淇春氏は2014年8月の旅客船「セウォル号」沈没事故が起こった当日、当時の朴槿恵(パク・クネ)元大統領への報告時間などを偽った答弁書を国会に提出した容疑で有罪となっていた。金淇春氏は上記の容疑で懲役1年、執行猶予2年の判決を受けていたが、大法院三部(主審、アン・チョルサン大法官)は判決を破棄し事件をソウル高裁に差し戻した。

 金淇春氏は国会に提出した答弁書の中で、「(事件が起こった2014年8月)秘書室は20-30分単位で間断なく有線・無線で報告を行ったため、大統領は対面で直接報告を受ける以上に状況を把握していたと思う」と主張した。検察は金淇春氏を公文書偽造などの容疑で起訴する際、「秘書室で作成した報告書がリアルタイムで大統領に伝えられたか確認せず、文書を偽造した」と主張していた。

 一審と二審は「答弁書は虚偽」として金淇春氏に懲役1年・執行猶予2年を宣告した。これに対して大法院は「『秘書室から20-30分単位で間断なく有線・無線で報告』との答弁書」について「実際に秘書室と国家安保室から担当秘書官や官邸に送られた報告書の回数、時間、方式などから考えると虚偽ではない」と判断した。また「大統領は状況を把握していたと思う」という部分は「金淇春氏の主観的な意見」との見方を示した。答弁書に虚偽の内容はないということだ。

 金淇春氏は保守団体などに23億ウォン(約2億4000万円)を違法で支援したとするいわゆる「ホワイトリスト事件」で2020年に起訴され、懲役1年の実刑が確定している。また朴英洙(パク・ヨンス)特別検察官が捜査・起訴した事件では「進歩(リベラル)系の文化人や芸術家を支援対象から排除した」とする「ブラックリスト事件」があるが、これは今も差し戻し審が行われている。

 また金氏と同じ容疑で起訴された金章洙(キム・ジャンス)元青瓦台国家安保室長はこの日、大法院で無罪が確定した。さらに金寛鎮(キム・グァンジン)元国家安保室長も無罪判決が確定した。金寛鎮氏はセウォル号事故後、「国家危機管理基本指針」を法で定められた手続きを経ず「災難関連コントロールタワーは青瓦台ではなく安全行政部(省に相当)」へと修正した容疑で起訴されていた。

キム・ジョンファン記者

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  • ▲写真=金淇春(キム・ギチュン)元青瓦台(韓国大統領府)大統領秘書室長/NEWSIS

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