韓国与党、「脱北漁師送還事件」で文在寅政権の関係者10人を告発

 韓国の保守系与党「国民の力」の国家安保紊乱(びんらん)タスクフォース(TF)は19日、亡命を希望した北朝鮮漁師の強制送還疑惑などに関連し、盧英敏(ノ・ヨンミン)元大統領秘書室長、鄭義溶(チョン・ウィヨン)元国家安保室長など10人の文在寅(ムン・ジェイン)政権関係者を告発した。ただし、文在寅・元大統領本人は含まれなかった。

 国家安保紊乱TFは同日の会議で、三陟港での木造船亡命(2019年6月)、脱北漁師強制送還(2019年11月)、北方限界線(NLL)越境事件(今年3月)に際して違法な送還が決定されたと結論付けた。

 国家安保紊乱TFは、2019年6月の「三陟港木造船亡命」事件の過程で、当時の青瓦台(韓国大統領府)国家安保室が深く介入したと判断している。海洋警察の最初の状況報告に載っていた漁師たちの供述が食い違っていたにもかかわらず、青瓦台主導で追加の調査なく送還を行ったという。

 しかも文在寅政権側は、合同調査が始まってからわずか2時間で、拿捕(だほ)した4人のうち2人を送還すると決定したといわれている。国家安保紊乱TFは、当時の鄭義溶・青瓦台国家安保室長、徐勲(ソ・フン)国家情報院長、鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相が職務遺棄・職権乱用などを行ったとみなした。

 これとは別に「脱北漁師強制送還」の疑いで告発された前政権の人物として、盧英敏・元大統領秘書室長、尹建永(ユン・ゴンヨン)「共に民主党」議員=当時の青瓦台国政状況室長=、金有根(キム・ユグン)元国家安保室第1次長、金錬鉄(キム・ヨンチョル)元統一相、ミン・ガプリョン元韓国警察庁長などがいる。告発状には殺人、職権乱用、不法逮捕・監禁、職務遺棄などの容疑が摘示された。

 また同TFは、今年の大統領選挙前日の3月8日、韓国海軍が拿捕した北朝鮮の木造船の乗組員7人について、合同尋問も行わずにわずか一日で送り返した「NLL越境事件」の処理過程でも違法行為(職務遺棄・職権乱用)があったと判断した。同事件関連では徐旭(ソ・ウク)元国防相、チョ・ヨングン元国防部(省に相当)対北政策官がそれぞれ告発された。

 なお同TFは、文元大統領は告発対象から外すこととした。全珠恵(チョン・ジュへ)議員は「盧英敏元室長に上からの指示があったのなら、当然検察で正常な捜査をしてくれるだろうと期待している」と語った。「国民の力」の一部は、「文元大統領を告発した場合、不必要な政治的論争が起きかねない」として告発に反対したといわれている。

 19日に大検察庁(最高検に相当)に告発状を提出した直後、「国民の力」の太永浩(テ・ヨンホ)議員は「検察に告発したことで真相究明活動が終わるわけではない」とし、「文在寅政権が破壊した『脱北者全員受け入れ』の原則が必ず復活するように、引き続き活動していく」と語った。

キム・ヒョンウォン記者

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  • ▲盧英敏・元大統領秘書室長、鄭義溶・元国家安保室長、尹建永・元青瓦台国政状況室長/写真=聯合ニュース

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