【コラム】プーチン・習近平・金正恩と向き合う大韓民国の未来

 24日で韓中国交正常化30周年を迎えた。ロシアとはその2年前に国交を正常化した。米ソ冷戦が終息し、世界史の巨大な流れが変わる転換点を逃さず、盧泰愚(ノ・テウ)元大統領は北方外交を開拓した。それから30年、国際秩序は再び転換期を迎えている。世界地図を開くと、大韓民国が直面している地政学的運命が改めて重く迫ってくる。

 1980年に中国の1人当たり国内総生産(GDP)は南米の10分の1の300ドルだった。賢い実用主義路線で扉を開き、世界の自由貿易秩序に便乗して経済力を高めた。2019年には中国の1人当たりGDPが1万ドルを超え、昨年のGDP規模は米国の77%に達した。2013年に政権を握った習近平主席は、世界2位の経済力に基づき、軍事力を増強しながら、腕を鳴らしている。香港の民主化を弾圧し、台湾の統一を公然と明言し、建国100周年に当たる2049年の「中国夢」の実現を目指す。経済的に豊かになれば、中国も国際秩序に平和的に編入されるという仮定が無駄な期待だったと判断した米国は対中制裁に乗り出した。中国と韓国の経済が同時成長した時代も終わりつつある。

 韓国を巡る国際情勢と歴史を振り返ってみると、北朝鮮と中露の指導者の好戦性がこれほど同時に高まった時期が6・25戦争(朝鮮戦争)以後、あっただろうかと思えるほどだ。6・25戦争はソ連のスターリン、中国の毛沢東、北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席の3人組の下で起きた。社会主義を実現し、独裁権力を長期化するために集団虐殺、侵略もためらわなかった好戦的指導者たちだ。偶然にもソ連の栄光を再現するという「第2のスターリン」プーチン、毛沢東の100年の夢を叫ぶ習近平、3代独裁世襲の金正恩(キム・ジョンウン)、金与正(キム・ヨジョン)兄妹が私たちの頭上で同時多発的に吠えている。

 香港民主化闘争、コロナ大流行、中国のサプライチェーン崩壊、ロシアのウクライナ侵攻、台湾海峡危機など一連の国際情勢を体験し、各国が夢から覚めるように現実政治に復帰している。富国強兵という古典的課題、そして国民が自由で公正な国で保護されるという国家アイデンティティーと心理的国力指数がいつにも増して求められている。

 法治と公正が揺らぎ、「私たちは小さな国だ」と頭を下げ、北朝鮮に「茹でた牛の頭も大笑いする」と陰口をたたかれても片思いを止めなかった政権に有権者の半分がストップをかけたのは、この厳しい時代を正しく頼もしいリーダーシップで乗り越えてほしいという期待があったからだろう。些細な縁に執着し、瑣末(さまつ)なミスを繰り返し、政権初期の貴重な時間を4カ月も浪費してしまった。

姜京希(カン・ギョンヒ)論説委員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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