ウォン安でも過去最大の貿易赤字の韓国「今まで経験したことがない危機」

 輸出も不安感を増大させている。増加の勢いが鈍化しているうえ、最大の輸出先である中国向けで4カ月連続赤字となり、韓国の貿易構造全体を揺るがしている。延世大の金正湜(キム・ジョンシク)教授は「中国で稼いで対日貿易赤字を埋め、米国に売って黒字を出すというのが韓国の貿易黒字構造だ。中国で黒字を出せなければ赤字にならざるを得ない」と指摘した。

 米国が中国産製品の輸入を締め付け、かつて中間材を中国に輸出した後、完成品を生産し、米国市場で販売していた国際分業構造が崩壊した上、中国の生産競争力が高まり、韓国製品の立つ瀬がなくなっているとの分析も示されている。チョ・サンヒョン院長は「中国では原材料や汎用半導体の輸入は増え続けているが、韓国製品の輸出は減っている」とし、「対中貿易が転換点を迎えている」と指摘した。8月の中国との貿易で半導体と無線通信機器の輸出はそれぞれ3.4%、14.1%減少したが、輸入は16.3%、3.8%増加した。

 世界的に景気が同時に低迷し、輸出の割合が高い韓国が活路を探すことは容易ではない。現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は「対中輸出が減り、赤字が続くということは、韓国の輸出不振を意味している」とし、「1-2年以内に東南アジア諸国連合(ASEAN)や米国など新たな市場を拡大することは現実的に難しいため、懸念が大きい」と述べた。

■「政策の力を輸出に集中すべき」

 全世界がコロナ危機克服に資金を大量に供給し、それを回収する局面で複合的な危機を迎えたため、各国政府は需要を促進することもできずにいる。産業研究院のキム・スドン研究委員は「まだ景気低迷は初期にあるのに、当局が需要を拡大する政策手段はほとんどない状況だ。過去の通貨危機や金融危機の当時と比べ、今ははるかに状況が悪い」と診断した。

 韓国政府は関係官庁が合同で9-12月の輸出戦略方案を示したが、これを超えるような特段の対策が必要だという声が出ている。金正湜教授は「貿易赤字がさらに拡大し、資金が海外に流出し始めれば、金融市場が動揺する恐れがある」とし、「今は政策的な力をインフレや構造改革ではなく、輸出に集中し、当面の問題を克服すべきだ」と主張した。

趙宰希(チョ・ジェヒ)記者

【グラフ】韓国の月別貿易収支(2022年)

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