【独自】堰の解体主導した環境団体代表、発表後に韓国水資源公社の非常任理事として報酬

【独自】堰の解体主導した環境団体代表、発表後に韓国水資源公社の非常任理事として報酬

 文在寅(ムン・ジェイン)政権下で反4大河川事業運動を主導した環境団体の代表が、4大河川事業を主管する韓国水資源公社の役員を務め、数千万ウォンの報酬を得ていることが1日までに分かった。同代表の任命当時、水資源公社の社長も反4大河川事業の立場の人物だった。

 本紙取材を総合すると、水資源公社は昨年2月初め、環境団体「韓国川再生ネットワーク」のイ・ジュンギョン運営委員長(現・生命の網代表)を非常任理事(取締役)に選任した。これに先立ち、政府は1月中旬、錦江と栄山江の堰解体、常時開放を決定したが、イ代表は当時堰の取り扱いを話し合った4大河川調査・評価企画委員会で流域協力分科委員会の幹事として活動し、堰の解体・開放決定に深く関与した。決定の直後、任期2年で水資源公社の非常任理事に選任され、「公企業・準政府機関役員報酬指針」により、月給200万ウォン、と会議出席手当て1回当たり25万ウォンなど年間で最大3000万ウォンの報酬を受け取った。現在、任期2年のうち1年半が経過し、これまでに4500万ウォン程度の報酬が支払われた。4大河川の堰事業を主管する水資源公社役員に「堰解体」を主張した外部の人物が任命されたことについて、水資源公社からは「皮肉な人事だ」という声が漏れたという。

 イ代表が理事に選任された当時の水資源公社の社長は朴宰賢(パク・ジェヒョン)仁済大教授で、2020年2月から在任している。朴社長はイ代表と共に企画委で活動し、水利部門分科委員長を務め、やはり堰の解体・開放決定に賛成の立場だった。

 水資源公社は韓国水資源公社法により「ダム・堰など水資源開発施設の建設および運営・管理」を事業の中核としている。非常任理事の選任基準としては「経営に対する豊富な学識と経験、経営ビジョン提示能力、水分野の専門意識、公共機関運営に対する理解度」などを挙げている。このため「ダムと堰をきちんと運営、管理すべき職責に、堰をなくそうという社長と理事を就任させるのはおかしい」という反応が公社内外から聞かれる。

 水資源公社は常任理事7人(社長を含む)、非常任理事8人の計15人の役員に置いている。非常任理事は公社内の役員推薦委員会を経て、企画財政部が任命する。イ代表を理事に選任した当時、役員推薦委には公社の理事3人、外部の人物3人が参加していた。水資源公社は「推薦委員6人の名簿は公表できない」としている。

 文在寅政権初期にも水資源公社の非常任理事選任を巡り論争が起きていた。18年8月から20年8月まで、盧武鉉(ノ・ムヒョン)財団のキム・ジョンス光州共同代表が非常任理事を務めたが、同公社の業務に関連する経歴が皆無の人物だ。水資源公社はキム氏に2年間の報酬として、6000万ウォンを支払った。梨花女子大の朴錫淳(パク・ソクスン)教授は「理事会は予算執行に影響を及ぼすため、ややもすると公企業の運営が政治的な目的を持つ環境団体の思惑通りに流れる危険がある」と指摘した。

パク・サンヒョン記者

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