【コラム】韓国プロサッカー球団「城南FC」に罪はない

 韓国プロサッカーリーグ「Kリーグ1」の城南FCは33年の歴史を誇る名門チームの一つだ。だが昨シーズンからスポーツ面より政治・社会面によく出てくるサッカーチームになった。野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表が京畿道城南市長だったころ、城南FCが違法な後援金を受け取ったのではないかという疑惑のためだ。そのため、チーム内だけでなくその周辺にも騒動が広がり、成績も振るわず、12チーム中最下位となっている。

 城南FCの選手たちは世間の騒動を忘れようとするかのように、試合のたびに歯を食いしばって頑張っている。胸が熱くなるのはもちろんだが、それを通り越して心配になるほどだ。城南FCのGKキム・ヨングァンは「ゴールされたらゴールの枠に頭を打ちつけて死ぬという思いで集中している」と言った。そのためか最近の試合では3勝3敗と奮闘している。

 だが、そのように闘志を燃やしている中、冷水を浴びせられた。冷水を浴びせたのはほかでもない、城南FCの代表でもある申相珍(シン・サンジン)城南市長の報道機関インタビューだった。申相珍市長は先月25日、「市民統合のエネルギーを失った城南FCは解散か売却しなければならない」と言った。「城南FCという言葉は不正の代名詞になった。このようなチームの代表をしたくない」とも言った。

 与党・国民の力所属で国会議員を4期務めたものの、一般の知名度が高くなかった申相珍市長だが、この発言によってその名が知られるようになった。城南FCを巻き込んで共に民主党の李在明代表を批判したため、支持層からは喝采(かっさい)を浴びた。しかし、城南FCのサポーターたちは市長をにらみつけている。城南FCは親が子に「サポーター魂」を引き継がせ、生活の一部となっているチームだ。申相珍市長は1990年代から約30年間、城南市内で過ごしてきた。城南FCがどんな意味を持つのか知らないはずがない市長が、先頭に立って同チームをさげすむとは、サポーターたちにとって無念なことこの上ないだろう。

 問題を説明し、理にかなった手続きを通じてチーム売却を進めれば市民が納得することもあり得る。しかし、申相珍市長は「市民統合のエネルギーを失った」「不正の代名詞」という理由を挙げただけで、それ以上の説明がない。城南市庁のホームページには「城南FC売却決定を撤回せよ」という請願文が寄せられている。これは申相珍市長就任以降で2番目に多い2000人余りの同意を得ている。最初に請願した人物は「城南FCが政治面で取りざたされ、汚された時でも、我々はとどまってチームを守ってきた。いったいどんな権利があって我々が守ってきた城南FCを売るのか」と訴えている。

 ある小学生は城南市庁の前で「私たちのチーム・城南FCを守ってください」と書かれているしわくちゃのA4サイズの紙を手に、1人でデモをした。城南FCのホームスタジアムである炭川総合運動場の観客席は「チーム売却をやめろ」という横断幕でいっぱいだった。

 申相珍市長は「城南の正常化」を公約として掲げた。それならばチームの体制を整備し、検察の捜査に誠実に応じて、サッカーチームを再び正常軌道に乗せることや、市民が城南FCを政治・社会面ではなくスポーツ面でより多く見られるようにすることが正解だろう。出し抜けに口にしたチーム売却や解散よりも、その方が城南FCを愛する人々にとっては「正常化」に近づくことができる方法だ。

イ・ヨンビン記者

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  • ▲8月28日、京畿道城南市の炭川総合運動場で行われた韓国プロサッカーリーグ「Kリーグ1」城南FC対水原FCの試合で、このほど浮上した売却説などに反対するプラカードや横断幕を掲げる城南FCのサポーターたち。写真=聯合ニュース

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