「韓国軍はベトナム戦争で民間人虐殺」 KBSドキュメンタリーに報勲処が反発

 韓国の国家報勲処はこのほど発表した声明で、KBSが8月7日に放送したドキュメンタリー番組「時事メンタリー追跡」の「顔・虐殺と記憶」と題する放送分について、「ベトナム戦争参戦功労者の激しい反発と共に、大規模な抗議集会が続いている」とし、「ベトナム民間人虐殺疑惑を既定事実化する偏向放送を行った」と主張した。 その上で、報勲処は「ベトナム戦争参戦功労者の支援と名誉宣揚を担当する部署として、深い遺憾の意を表明し、公正な放送を求める」とした。

 報勲処は「KBSの報道内容は現在訴訟中であり、少なくとも訴訟当事者間のバランスの取れた反論権が保障されなければならないが、公営放送であるKBSは一部ベトナム人の主張に放送時間の大部分を割き、ベトナム戦争参戦功労者の反論権を十分に保障しなかった」と指摘。KBSに功労者の反論権と追加放送などを要求した。朴敏植(パク・ミンシク)報勲処長の父はベトナム戦争で戦死した功労者だ。

 ベトナム戦争参戦者会はKBSの放送に反発し、8月18日にソウル・汝矣島のKBS本社前で社長退陣などを要求するデモを行った。同団体は「韓国軍が撤退するまで、良民を虐殺した疑いで軍法会議に付されて処罰を受けた事件はたった1件もなかった」と主張した。

 これに対してKBSの番組制作陣は「被害村落で生存したベトナムの住民らが韓国政府を相手取り起こした民事訴訟が進んでおり、年内に一審判決が出る予定だ。一審判決の内容に基づき、当時の状況と参戦者会の立場を盛り込んだ続編を制作する」と説明した。

キム・ミョンソン記者

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