【9月6日付社説】「韓国の半導体産業は危機ではない」とみる専門家はわずか3.3%

 大韓商工会議所が韓国の半導体専門家30人に今の半導体産業の現状について質問したところ、77%が「危機」、20%が「危機直前」と回答した。「危機ではない」との回答はわずか3.3%だった。韓国が米国と中国によるサプライチェーン競争の板挟み状態にあることや、技術面における中国の追撃が一層激しくなっていることなどがその背景にある。さらに専門家の97%は「危機は来年も続く」と予想している。韓国経済において非常に大きな比重を占める半導体産業が大きく揺らいでいるのだ。

 危機は数字からも確認できる。今年8月の半導体輸出増加率は26カ月ぶりにマイナスに転じた。半導体の販売が減少した影響で7月の半導体在庫は1年前に比べて80%も増えた。サムスン電子の在庫は52兆ウォン(約5兆3000億円)、SKハイニックスは12兆ウォン(約1兆2000億円)と過去最大だ。韓国が得意とするDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)とNANDメモリーの国際価格はここ2-3カ月連続で下落している。世界的な景気不振の影響で半導体分野でも好況が終わり、不況が近づいていることを示す一種のシグナルだ。

 中国は急速に韓国を追撃している。つい先日アップルがスマートフォンなどに使用するメモリー半導体の新たなサプライヤーに中国のYMTCを指定したのは衝撃だった。中国でファウンドリー(半導体の委託生産)1位のSMICが7ナノの開発に成功したとのニュースも報じられた。中国における「半導体崛起(くっき)」の成果が出始めており、NANDフラッシュ分野では韓国との格差はわずか1-2年にまで狭まった。

 ライバルとなる国々は半導体産業への支援に総力を挙げている。中国政府による大々的な半導体分野育成の動きに対抗し、米国は半導体製造などに520億ドル(約7兆3000億円)を支援する半導体法を成立させた。EU(欧州連合)も2030年までに半導体シェア20%を目標に数十兆ウォン(数兆円)の支援計画を発表した。ファウンドリー分野で世界トップの台湾も国全体で支援を続けている。その結果、経済規模が韓国の半分の台湾では売り上げが10億ドル(約1400億円)以上の半導体メーカーが28社となり、韓国(12社)の2倍を上回るようになった。

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権も「半導体競争力強化特別委員会」を立ち上げ、各種支援策を含む法律の改正案を提出したが、国会での審議は全く進んでいない。この半導体特別法は先週開催された国会産業通商資源中小ベンチャー企業委員会では議題にもならず、現時点で9月の通常国会で審議されるかどうかも決まっていない。米国議会は自国の製造業を支援するため「インフレ削減法(IRA)」をわずか2週間の審議で成立させたが、韓国の国会は政争に没頭し経済の命綱である半導体産業を支援する法案さえ成立させることができない。問題は深刻だ。

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