【コラム】韓国外交に自主派も同盟派もない

 韓国外交部(省に相当)で8月22日にワンポイント人事が行われ、1級多者外交調整官に朴容民(パク・ヨンミン)元仙台総領事が任命された。朴調整官はかつての盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で表面化したいわゆる「自主派・同盟派」問題に関係した外交官の一人だ。2004年に北米3課次席だった朴氏は課長らとの飲み会の席で、当時青瓦台(韓国大統領府)の386(1990年代に30代だった60年代生まれ)グループが推し進めた対米政策を批判したとの理由で「同盟派」というレッテルが貼られた。誰かがこの飲み会でのやりとりを青瓦台に投書したため、「自主派」のターゲットになったのだ。

 もう十数年も前のことで、今もそのレッテルが残っているのかは知らないが、朴氏は文在寅(ムン・ジェイン)政権当時の2018年に仙台総領事となった。もちろん重要ではない海外公館などない。しかしすでに他国の大使や本部の局長まで経験した朴氏の仙台総領事人事に「なぜ」という反応が相次いだ。ネット書き込み捏造(ねつぞう)犯の「ドルイドキング」が共犯の金慶洙(キム・ギョンス)元慶尚南道知事から提示されたのが仙台総領事であり、ドルイドキングがこれを拒否した事実が知られた直後のことだったので、朴氏の仙台赴任は一層注目を集めた。多くの外交官が残念に思った。その朴氏は昨年帰国したものの適当な職務がなかったが、過去に北米・北核・国連・中東・アフリカで勤務した経歴が認められ、今回多者外交調整官に就任したのだ。同じくレッテルを貼られていた趙賢東(チョ・ヒョンドン)氏(2004年当時は北米3課長)も回りに回って今年5月に外交部第1次官に就任した。

 あるベテラン外交官は「今後は自主派や同盟派といった論争はあってはならない」と指摘する。このような分裂自体が間違っているということだ。くもの糸のように複雑に絡まった21世紀の外交の現実に合わないのはもちろん、敵味方を単純に分けてしまうといわれのない被害者が出るためだ。MZ世代(1980年代-2000年代初め生まれ)のある外交官に意見を聞くと「外交政策についてはさまざまな見方や意見があり、状況によっては従来の考え方を見直すこともある。なのに『お前はどこ派』とレッテルを貼れば自由に意見を言うのが難しくなり、組織は活力が失われ病んでしまうだろう」と答えた。

 文在寅政権がワシントンの外交関係者の間で「あまりに性急で米国と歩調が合わない」などと批判を受けながら、それでもなお全力を傾けたのが「対北朝鮮政策」だった。当時実務を担当した外交部の北核ラインは今どこにいるだろうか。今年3月に大統領選挙の結果が出たとき、彼らの何人かは「もうやめて故郷に帰ろうか」と口にしながら人事で不利益を受けると予想したという。ところが彼らのほとんどは竜山の大統領室や外交部本部で今も北核問題のキャリアを積み上げている。業務の連続性と個人の能力を評価した人事だったという。「どんな色か」「誰のグループか」といったレッテルは貼られなかったのだ。今後は韓国外交で自主派や同盟派といった言葉はなくなってほしいと思う。それでもあるとすれば「国益派」か「常識派」くらいだろうか。

ノ・ソクチョ記者

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