【9月9日付社説】50億ドルの対韓投資をふんだくった米商務長官、韓国にこれほどの長官がいるだろうか

 ジーナ・ライモンド米商務長官が韓国投資を検討していた台湾半導体メーカーを執拗(しつよう)に説得し、米国への投資を誘致していたことが外信報道で分かった。世界3位のシリコンウエハー(半導体集積回路の核心材料)メーカーで台湾企業の「グローバルウェーハズ(環球晶円)」は、今年2月に50億ドル(約7200億円)というドイツ投資計画が白紙化されると、新たな投資先として韓国を検討したという。ところが、米商務省が投資誘致合戦に参入し、今年6月にライモンド長官がグローバルウェーハズ最高経営責任者(CEO)と直接1時間にわたり電話で話して、説得に成功した。韓国の工場建設費用が米国の3分の1に過ぎないことを知ると、ライモンド長官は「それに合わせる(We will make the math work)」と画期的な支援を約束したという。長官との通話の2週間後、グローバルウェーハズは米テキサス州に雇用1500件を創出する50億ドルの新規工場建設計画を発表した。この報道を読み、「韓国にこれほどの長官がいるだろうか」と考えさせられた。

 各国政府は税制やインフラを支援して企業が活動しやすい環境を構築し、大統領や長官は先頭に立って投資誘致合戦に乗り出している。質の良い雇用を創出し、国の経済を発展させるための競争は、まさに銃声のない戦争と言えるだろう。特に積極的なのが米国やフランスなどだ。アイルランドでは、ブレグジット(英国の欧州連合〈EU〉離脱)で英国を去った世界的な金融会社の誘致に着手し、135の金融機関の欧州本部を誘致した。

 韓国では、企業の海外投資が増え、外国投資の国内流入より海外流出の方が多いという投資逆流現象が2014年から本格化した。文在寅(ムン・ジェイン)政権はそうした流れを取り戻そうとする努力をするのではなく、韓国企業の海外移転を加速化させた。昨年の投資逆流規模は過去最大の807億ドル(約11兆6260億円)に達した。これは2014年以降の7年間で5倍の増加だ。昨年の韓国の外国人直接投資誘致額は主要20カ国・地域(G20)のうち17位で、韓国より外国人直接投資が少なかった国はテュルキエ(トルコ)、イタリア、アルゼンチンの3カ国だけだった。今年になってもこうした傾向は変わっていない。今年上半期に韓国に入ってきた外国人直接投資は昨年より15%以上減少の110億ドル(約1兆5830億円)だ。一方、韓国企業の海外投資は今年1―3月期に既にその2倍超の254億ドル(約3兆6560億円)に達している。

 韓国が「企業が活動しやすい国」になるよう、大々的に規制を緩和し、大統領と長官が積極的に投資誘致に乗り出さなければ、韓国に到来するチャンスさえ再び他国に目の前で奪われてしまうだろう。

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