通常兵器による攻撃が差し迫る兆候が見えただけで…北「自動的に即時核攻撃」

金正恩氏に核の全権を与え核使用のハードルを一気に下げる
首脳部を狙った斬首作戦や挑発の原点に対する攻撃にも核攻撃を示唆
金正恩氏「核の放棄は絶対にない」

 北朝鮮が8日の最高人民会議で採択したいわゆる「核武力政策法」の特徴は、実際に核兵器を使用できるハードルを一気に下げたことにある。「最初に核兵器を使用することはない(2016年の第7次党大会)」としていた従来の原則を180度変え、核戦争はもちろん非核戦争であっても「北朝鮮の恣意(しい)的な判断で先制核使用が可能」と明確にしたのだ。現在の韓米連合訓練は北朝鮮の通常兵器による攻撃を想定しているため、今後の訓練については「北朝鮮による先制核攻撃を想定した内容や作戦計画などへと見直すべきだ」との声が高まっている

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は8日の最高人民会議で行った施政演説で「国の生存権と国家の未来の安全が懸かった自衛権を放棄するわれわれではない」「絶対に核を放棄できない」と明言した。とりわけ米国に対しては「制裁や封鎖を通じた核放棄を企図しているが、これは敵の誤判であり誤算」「百日、千日、十年、百年制裁しろって言ってみろ」と挑発した。さらに「果たして時間は誰の側にあるか」とも述べ、国際社会からの制裁に対しても自信を示した。

 朝鮮中央通信などが9日に公開した核武力政策法を見ると「核武力は国務委員長(金正恩氏)の唯一的指揮に服従する」(第3条1項)、「金正恩は核武器に関するあらゆる決定権を持つ」(第3条2項)と明記されており、核武力の決定権を持つのは金正恩氏だけであることを明確にした。さらに「国家核武力に対する指揮統制体系が敵対勢力の攻撃で危険にさらされた場合、事前に決められた作戦計画により核攻撃が自動的に即時に断行される」とも明記し、有事の核攻撃計画を事前に樹立したことを示唆した。

 核兵器の先制使用が可能な5大条件も詳細に定められたが、そこには恣意的な解釈が可能な部分が多いことから「思い通り核の先制攻撃を行うという意味」との見方もある。北朝鮮あるいは指導部に対する核兵器、大量破壊兵器(WMD)、非核攻撃が敢行された場合はもちろん、「切迫した場合」にも核使用が可能と定めたことがその典型例だ。また「金正恩攻撃切迫」の条件も北朝鮮が恣意的に解釈できる。さらに「戦争の主導権を握るため作戦上の必要性が浮上」あるいは「国家存立、人民の生命と安全に破局的な危機がもたらされる事態」にも核兵器の使用が可能であると明記した。

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲写真=朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」

right

あわせて読みたい