米国の大学でドローン(drone. 無人機)関連の博士号を取ったA少領(少佐に相当)が、先月に韓国軍を早期除隊(予備役へ転役)していたことが12日までに分かった。KAIST(韓国科学技術院)でAI(人工知能)ロボットを専攻して博士号を取ったB少領も、今年7月に軍服を脱いだ。二人とも陸士(韓国陸軍士官学校)出身で、未来の軍戦力の核心となるドローン・ロボット分野の専門家になったが、昇進問題などで早期除隊したという。
A少領は、韓国軍でドローンの専門性を生かして引き続き服務することを望んでいたという。しかし、野戦部隊での勤務経験などが相対的に少なく、中領(中佐に相当)への昇進からの脱落が続いたため、階級定年までまだ数年残っている状態で早期除隊を選んだ。現在は民間企業への就職などを模索しているという。
B少領も、未来の戦争では「AIロボット」が核心になるだろうとみて博士号を取ったが、関連の補職をきちんと受けられず、階級定年までまだ3年ほど残して早期除隊したことが分かった。B少領は周囲に「先端分野の博士号があれば軍で使われるだろうと思ったが、まだ軍はそうした準備ができていないらしい」と、残念な思いを打ち明けていたという。他のAI専攻将校もまた、韓国軍でAI関連の補職を受けることは「星取り(将官になること)」よりも難しいとみて、早々と民間企業へ移っていくという。
ドローン、AI、サイバーなど未来戦争分野の将校の早期除隊を巡り、韓国軍内外から懸念の声が上がっている。韓国軍関係者は12日、本紙の電話取材に対して「ドローン、AI、ロボットなど先端分野の補職は全軍合わせても指折り数えるほど幾つもなく、博士号があっても専攻とは無関係な部隊に送られるケースが多い」とし「こうしたことが繰り返されると、先端分野の将校が“パッとしない将校”として淘汰(とうた)され、中領昇進もできずに事実上軍服を脱ぐことになる」と語った。これに関連して国防部(省に相当)側は「昇進は個人の人事問題であって公開できない」としつつ「人事評価は多角度から行われている」とコメントした。韓国軍当局は「AIベースの先端科学技術軍をつくりたい」という方針を明らかにしている。
韓国軍の元高官は「未来の戦争に備える先端分野の将校については別途の管理が必要」とし「尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が『科学技術強軍をつくりたい』と表明しているだけに、韓国軍当局も制度の整備を通して人材流出を最小限に抑えるべき」と語った。
ノ・ソクチョ記者